東海道線すごろく【前編】──逃げ切れ!ツインテール

4月1日(土)

おはようございます。東京は朝の七時、私は東京駅にいます*1

 

この日は以前より仲間内で企画していた、「東海道線すごろく」の開催日。ルールは簡単!すごろくの要領に則り、サイコロを振って神戸まで東海道線を乗り継いで行くだけのシンプルなものです。さらっと申しましたが、東京から神戸までは東海道本線を素直に下っていくと166駅もあります。むろん泊まり確定です。

真っ向からサイコロひとつで挑んでも面白くありませんので、道中には「イベント駅」で有利なアイテムを手に入れたり、ルート分岐優等種別乗車チャンスなど、戦略的な要素が大きく絡んできます。

2023.04.08追記)より細かいルールについては進みながら説明していきますが、この記事の一番下にルールと各駅のイベント表を設置しましたので、保存していただきながらご覧いただくと理解しやすいかもしれません。

 

開始前に、参加者の5組10名で記念写真。このほかにも、Discordサーバー上で監視役を担当してくださる運営(しら・ゆのつ・ちよめ・あまがさ*2・あやせ、敬称略)、この写真を撮影してくださった神視点の同行者・すわさん*3ののべ16人が関わる壮大なイベントになりました。では参加者とチーム分けの紹介です。

 

逃げ切りツインテール 八川・わかきゅー
ツインターボと言えば大逃げ。エミリーと言えばツインテール。髪を揺らしながら、目指すは他を圧倒しつつ神戸に1番乗り!このブログは当チーム視点の記事になります。

YONOASOBI ふりうり・さくらす
与野を愛するふりうりさんと、与野のホテルに泊まったことで上野東京ラインの惨事を回避したさくらすさんの鉄道ニッチ分野コンビ。Discordサーバー上でサイコロを振れるbotを作ったのはふりうりさんです。

二人四脚 萩薬師・海底

撮り鉄の三脚と音鉄の一脚を合わせて四脚で神戸を目指します(どっちも協調性がないので二人三脚出来ないため)。道中で電車が止まったときに離脱しそうなチーム第1位。

にせとつ にせ・ひがとつ

東京から大阪まで自転車で走破したにせさんと、E217系のためなら西へ東へどこまでも、なひがとつさん。どちらも体力には自信アリ?道中の行動が読めないチーム第1位。

青梅市代表 たつたあげ・C13

青梅市13万人の期待を背負い、東日本地域の音鉄がSUNTRAS地域へ侵略を開始!集合直前の中央線人身事故をなんとか回避できて良かった。

 

というわけで、開始時刻の朝7時に合わせ5・6番線ホームへ。東海道本線の全駅を対象としているため、横浜まではもちろん各駅に停車する京浜東北線山手線にしか乗ることができません。たとえ「2」が出て新橋に行くことになっても、有楽町を通過する東海道線には乗ることができません。東海道線すごろくとは、修行なのです。

 

まずは、強制イベント駅*4である6駅先の品川を目指し、各チームDiscord上でサイコロを振ります。一発で品川にたどり着くチームもある中、我々逃げ切りツインテールは……

 

 

逃げ切りツインテール、早速大きく出遅れてしまいました。どうも1を出したのは我々だけらしく、かつ最初の出目のみを公開し合ったため、他のチームは田町以上まで進むことが分かっている状況。「神戸で待ってる」と言い残し、ただ1チームだけ山手線を下車したのでした。しばらく神視点のすわさんも同行してくださることに。

今後は1時間おきに運営から発表される時報で「最後にサイコロを振った駅」もしくは「イベントを実行中の駅」が公開されるため、正確な現在地は分からず、どのチームが最も早い電車に乗っているかは推測するしかありません。しかしあまりに遅いと「逃げ切りツインテールは気にしなくていいか」とナメられますので、なるべく早く巻き返す必要があります。

幸いにも、なぜか東京~有楽町で抑止を食らっていた本来乗れないはず*5京浜東北線がやって来ました。今回は「同じ電車」に乗れないだけで、神戸到着の時間を競う対決であるため、さっそくルール上の穴を突いた*6亜空間接続が実現しました。これに乗車し、ひとまず品川まで出たいですね。

 

 

ものすごーく雲行きが怪しくなってきました。品川までの各駅には、新橋がイベント駅(品川まで無条件ワープ)・高輪ゲートウェイカードプレゼント駅(ブックマークカード・後述)だったのですが、その間を縫うように鈍足で停車していくのは恩恵も何もあったもんじゃないです。1発で品川行きを獲得したにせとつが今どこまで進んでいるかを意識しながら、品川を目指します。

 

田町では山手線が先に入線してきましたが、先に発車メロディを鳴らしたのは京浜東北線だったため4番線へ。こういう時にどの駅どの番線でどの曲を使っているか記憶していると、どっちに乗るのが適切かが分かりやすいですね。皆さまにとっても、一刻も早く神戸にたどり着きたい時には有効な手段です。

 

出目は3でしたが、強制イベント駅の品川に到着したためリセットのうえ下車。当駅でのイベントは郵便車仕様の「0kmポスト」撮影。改札内なので、場所さえ知っていれば一瞬で片づく簡単なイベントですね。どのチームも同じイベントなので、ポスト前で二人四脚と鉢合わせしました。彼らの出目は覚えていませんでしたが、初手田町以上かつ我々と同じ電車だったということは東京→田町→高輪ゲートウェイ→品川と動いていることが推測できます(実際そうだったみたいです)。ひとまず、1チームには追いつくことができました。

 

ミッション完了。1度にサイコロを4つ振ることができる「のぞみカード」を1枚入手しました。このカードの使いどころこそが各チームの腕の見せ所。勝敗のカギを握っていると言っても過言ではありません。

初期の手持ちは、同様にサイコロを2個振れる「こだまカード」が2枚、出目を6に出来る「オール6カード」が1枚、出目の途中駅で停車することができる「ブックマークカード」が3枚。少々心許ないですが、これらを途中駅のイベントをこなすことで補充していくか、気にせずガンガン進むのか。チームの性格が出ますね。

そして最初の「種別/路線選択」です。出目を決定する前にサイコロを振り、良い目が出れば次回に限り優等列車のカウントで進むことができます*7。ここは京浜東北線を避けながら、大きい目を出して前進したいですね。

 

結果、種別選択でも出目でも4を出し、横須賀線経由で横浜へ向かうことに。東海道線の支線扱いである品鶴線を経由するルートで、一見すると当たりに見えますが、3以下を出すと京浜東北線にも乗り換えられずに次の横須賀線を待つ羽目になる実は恐ろしい経路です。東海道線で「川崎」というのもしょっぱいですが、すぐに京浜東北線に乗り換えられる点ではマシに思えます。

 

7時32分発の逗子行で横浜に向かいます。横浜はイベント駅で、内容は「東横フラワー緑道」の入口に向かうというもの。報酬もこだまカードと貰って損はないですから、イベントに備えてより東横フラワー緑道に近い最後尾に乗車したのですが、西大井を出発したところで、偶然にも仁王立ちしながら電車を見送る二人四脚の姿を観測することに。これで暫定4位以上です。わ~い!

 

7時56分、横浜に到着。横浜からは"本来の"東海道線の各駅に停車していた京浜東北線根岸線となって本線と別れるため、戸塚までは引き続き保土ケ谷・東戸塚に停車する横須賀線系統に乗ることになります。2本後に間に合うのを目標に、すぐさま改札を出て東横フラワー緑道に向かいます。

 

画像

徒歩5分ちょっとで東横フラワー緑道に到着。ニシノフラワーも喜んでいます。写真を運営に提出しOKをもらい*8、こだまカードを入手。急いで横浜駅に折り返します。

ここで小さい目を出すと、西大井のように東海道線に乗り換えられないまま時間を過ごすことになるため、さっさと戸塚から本線に合流するべくこだまカードをその場で使用します。サイコロ2個、最大で12駅進めるので、湘南の風を浴びながら首位に躍り出たいですね。

 

ゑ?

まあ確かに、避けたかった事項は避けられてはいるんですが……3だと、横浜で素直にサイコロを振っていたとしてもあんまり変わらなかったであろうことが想像できます。素直に言います。失敗した!

 

ここで8時の時報を確認。駅で言えば最も神戸に近いのは我々ですが、この時はイベント中。YONOASOBIの鶴見もイベント駅ですが、他の3チームは「最後にサイコロを振った駅」が表示されているわけですから、我々が本当に1位である可能性は限りなく低いでしょう。これはマズいですね。あと3チームも品鶴線経由なの面白いですね。二人四脚は4駅連続停車ですね。

 

戸塚では対面の0分乗り換えが実現し、ロスタイムこそ生まれずに東海道線へ合流できましたが、またもや渋い出目。この先大船を過ぎると二宮までイベント駅がないため、ブックマークカードを使用し大船のイベントを実行することに。大船のイベントは次の出目が「特別快速判定」になるというもの、ここで一発大きな出目を出せば1位も夢ではありません。

 

大船駅のイベントは「大船観音の撮影」。拝観料が取られないギリギリまで近づくかつ姿を撮影すればOKという内容でしたが、開門前のため怒られなさそうな範囲で引き返し、駅のデッキから姿も拝んでミッションクリアです。なお、駅を出たところでイベントを終了後のYONOASOBIに遭遇したため、神視点のすわさんとはここでお別れしました。

 

しかし、出目はこのザマ。名前は速そうな特別快速ですが、大船から先の通過駅はたった4つ。平塚まででは1駅しか通過していないため、またしてもさほど得のないイベントになってしまいました。チャンスを活かせないどころか、余計に時間をロスしてしまったため巻き返す必要があります。

 

9時06分、平塚に到着。平塚から先は国府津・小田原と段階的に本数が減っていく区間です。しかも次は短いスパンで熱海行が2連続。ここでちまちま停車していると他チームとかなりの差が生まれてしまうため、連続の熱海行を利用し大きな目を出してさっさと抜け出したいところです。

なお、国府津から御殿場線を経由する別ルートもあり、選択するだけでサイコロを3回振れる「ひかりカード」を5枚も貰えてしまう魅力的なものだったのですが、冒険できる状況ではなかったため断念。大人しく本線をひた走ります。

 

うおおおおおおおおおおおおおおおおおお
わかきゅーさん、ありがとう!!次発が熱海行であるためロスタイムもなく、かつ最高の出目で小田原を越えることができました。開始2時間にして初めて5以上の目が出ました。これには思わずハイタッチ。9時の時報YONOASOBIが大船、二人四脚青梅市代表が茅ケ崎、にせとつが二宮。我々より先に大船を出ているはずのYONOASOBI含め、どのチームもみな平塚より先を走っていそうです。危ない危ない。

 

本当はぶっちぎって「早い八川、早川。」とか言いたかったんですがそんな余裕はないので、12分後の熱海行でさっさと抜けてしまいます。

 

ここで手持ちのオール6カードを使用。湯河原と熱海にイベントがあったのですが、それらを無視して三島までの移動を確約させます。これは三島が強制イベント駅であるためです。手前でイベントをするより、とにかく駒を進めることが重要であると考えての策だったのですが、吉と出るか凶と出るか。少ないカードでどう差をつけるか試行錯誤していると、運営からとんでもない知らせが。

 

にせとつ、足柄乗換イベント開始。

実は、国府津から分岐していたあの御殿場線ルートにある足柄駅には、同名なのに徒歩で6時間以上かかることで有名な小田急線の足柄駅まで乗り換えるという超過酷なイベントが設定されていました。代わりに達成すれば途中の強制イベント駅を無視して米原までワープ、かつ他のチームを妨害するミッションを1つだけ考えられるというオイシイ特典があるのです。妨害要素はここだけ、という点でもアツイです。とはいえ、米原までのイベントを全て無視することになるのでカード入手の機会は減りますし、何より疲れるので、この知らせが届いた時点で我々はにせとつチームの正気を疑いました。

 

10時06分、熱海に到着。10時の時報ではまだ誰も三島にたどり着いていませんでしたが、別個で出る「1位のチームが静岡県に突入しました」というお知らせが9時44分にありましたので、2位以下であることは確実です*9にせとつが足柄のりかえを敢行した以上、妨害ミッションを踏まえると彼らより先に米原を越えていないと勝利は厳しくなります。他チームと波長を合わせつつ、隙を見て抜け出して逃げ切る作戦を取ることにしました。ところでアロハ電車乗りたいので伊東線行っていいですか?

 

10時28分、三島駅に到着。当駅の強制イベントは「みしまコロッケを食べる」です。ホームページに掲載されているみしまコロッケ認定店で人数分のコロッケを購入することが目的です。報酬はひかりカード。認定店は市内に点在していますが、駅前で済ませないと他チームとの差が埋められません。急いで駅前の認定店で購入します。

 

ローソン三島駅南口店、108円(税込)。本当に認定店なのか購入した私でも疑問なのですが、きちんとパンフレットに掲載されてます。三島馬鈴薯を使用した町おこしにコンビニエンスストアが協力しているのは好感持てますね。

 

信号を渡って駅前に戻ると、駅併設のお店でコロッケを購入しているYONOASOBI二人四脚の姿が。実は3チームが同じ電車で降り、これから同じ電車に乗るという状況だったことが判明。もし、あのタイミングでわかきゅーさんが6を出していなかったら……と思うと背筋が凍ります。オール6カードのタイミングも適切だったでしょう。

 

2022年3月から静岡地区の運用に入るようになった313系8000番台。転換クロスシート仕様のため始発駅から乗車するぶんには長旅の味方ですが、途中から乗るときによこされると立ち移動が確定したようなものです。もちろん、3チームとも立っています。

 

出目は「2」、片浜下車です。ちょうど片浜には「神明塚古墳」を訪れることで快速サイコロを振ることができるイベントがあります。静岡地区には快速がほとんどありませんが、休前日の1本のみ三島発静岡行の快速列車が設定されています。停車駅は富士までの各駅と、清水・静岡。加えて次なる強制イベント駅が静岡なので、6で静岡を出せば他チームとかなり差をつけることができます。次の電車を待っている間にこなすことができるので、さっさと済ませてしまいましょう。

 

学ぶ冒険。古墳時代の中でも前期に作られたと言われる神明塚古墳です。古墳の全容は撮りようがないため、看板を撮影することでイベントはクリアとなりました。問題は快速サイコロです。「5」か「6」を出すことができれば大きなプラスになりますが、果たして。

 

やってしまった。快速は富士までは各駅に停車するため、普通列車と変わらない出目を出してしまいました。まあしかし、イベント実行で電車を1本見送ったわけでもないのでプラマイゼロと考えることはできますが。本来はオール6カードをこのイベントで使用することで静岡まで一気に抜け出す予定だったので、早川で使用した以上運頼みではあったのですが、ちょっと厳しいですね。

 

ここで11時の時報を。実は先ほどの電車を沼津で降りていた二人四脚は沼津のまま、我々より先へ行ったYONOASOBIは三島のまま、つまりまだ乗車中。青梅市代表は一歩遅れて函南、私たちが片浜を発つころにコロッケを頬張っている頃合いでしょうか。片浜から乗車する電車に二人四脚が乗車しているはずなので、にせとつを除外すればひとまず2位タイとまずまずの位置につけていることが分かります。てかにせとつ早くない?

 

吉原にもイベントがあったので実行。内容と報酬は画像の通りです。次の電車が21分後に対し、クリア時間の目安が20分。これはGoogleMapの所要時間を基に私が算出したものですので、急がないとギリギリ電車を1本逃してしまうことを誰よりも分かっています。早歩きでイベントを実行します。

 

急ぎ過ぎて写真がぼやけてますが、公園は公園です。運営に送信しクリア許可をもらい、来た道を駆け戻ります。現状はのぞみひかりが1枚ずつ、こだまが3枚、ブックマークカードが2枚。カードを溜め込んでいても仕方ないので、吉原から新幹線カードを使用して一気に静岡を目指します。この区間でちまちま降りていても退屈なので、ここは大きい目を出すためにひかりを使おうではありませんか!

 

静岡確定!

これは大きい!わかきゅーさんの引き運さまさまでございます。実は先ほどから交互に振っているのですが、出だし有楽町横浜こだま片浜快速と良いところのないどこかの誰かさんとは大違いでございます。静岡の「10」はこだまでも出る目ではありますが、トラウマが頭を過ったため思い切ってひかりにしちゃいました。移動先の静岡のイベントをこなせば再びひかりを1枚入手できますので、そこまで不安はないです。あとは電車に乗って移動するだけですが……

 

18きっぷが、ない……?

八川、ゲーム続行不能の大ピンチ!!!!!!!!!!!!!!

 

次回へ続く。中編になるか後編になるかは文量次第ですね。

おまけ画像は、西大井あたりで引いたミリシタ10連ガシャです。逃げ切りツインテールは固い絆で結ばれているので、ピックアップ中の二階堂千鶴さんを同時に引き当てました。18きっぷをなくすとも知らずに楽しそうですね。

 

(以下:2023/04/08追記)

スタート前に全体へ配付した詳細ルールです。複雑ですね。輸送障害は実例がなかったので読み飛ばしていただいて構いません。

 


各駅のイベント状況をまとめた表です。ズレはご容赦ください。

背景はピンクが強制、水色が任意イベント、肌色が種別選択駅です。

報酬欄の「」「」「」は各新幹線カード、「」がブックマークカード、「」がオール6カード、「」がイベント後優等種別サイコロ、「数字」が対応する駅に移動、「数字(斜線)」が移動後のサイコロが優等種別判定です。

 

*1:国道1号の写真を撮りに行こうと思ったら日本橋口にたどり着いてました。

*2:本来は参加予定だったものの予定が合わず断念。

*3:静岡方面に出かける用事があったため、全チームの動向が見れる状態でどこか1チームについていくスタンス。

*4:出目にかかわらず下車し、ミッションをこなさなければならない駅。出目はリセットされるが、ほとんどの駅でアイテムの支給がある。

*5:東京6時59分発。

*6:このルールの骨組みを作ったのは八川である。ガバ。

*7:この場合、出目を振る際に新幹線カードを使用することはできないが、オール6カードとの併用はできる。

*8:さすがに別の写真で提出してます。

*9:ネタバレになりますが、実はこの通知は「にせとつ」が御殿場線に乗りながら達成した実績でした。