東海道線すごろく【後編】──14分のツインテール

~前回までのあらすじ~

米原からの奇策で、1日目終了時刻の14分前に京都へ1番乗りした逃げ切りツインテール。京都駅で待ち構えている強制イベントの仕様上、2日目は14分繰り上げた7時46分スタートに。このアドバンテージを活かし、神戸まで逃げ切ることができるのか?!

 

おはようございます。あらかじめ宿を取っていたのが近江八幡だったため、京都到着後は来た道を戻るという虚無を実行していました。八川です。

 

1日目終了時点での時報です。この時報に限っては最後にサイコロを振った駅ではなく、1日目にたどり着いた最後の駅が記されています。つまり京都駅にたどり着いている駅は私たち逃げ切りツインテールだけ。

2日目の開始時刻は8時00分ですが、イベントをせずに21時46分の到着をもって切り上げたため、7時46分に京都駅の同じのりばからイベントを開始することができます*1。微妙に有利ではありますが、たった14分と考えておいたほうが身のため。8時になれば膳所二人四脚栗東YONOASOBIがすぐに京都へやって来るでしょう。

 

京都駅は順位ごとに指定された異なる場所に行くというイベント。1位の我々は鴨川に架かる四条大橋に行くことになっていましたが、2位の二条城と所要時間があまり変わらないため、現地でプラスアルファのアクションをすることが決まっていました。

 

事前の話し合いではアクションは決まりきらなかったため、1位での京都到達が現実的になっていた*2前日の段階で運営に尋ねたところ「往路か復路のどちらかで歩いて三条大橋にも行く」という内容であることを把握。1位らしく、それなりに重い内容になっていました。

 

四条大橋三条大橋に向かうには、川端通の地下を走る京阪本線を利用するのが最適です。しかし京都周辺は私鉄のターミナル駅がまとまっておらず、京阪に乗り換えるには京都駅から七条駅まで歩くのがマスト。奈良線を利用して東福寺駅を経由する手もありますが、お互いに接続を拒否しているかのようなダイヤをしていたため却下。

ひとまず、7時46分に京都駅3番のりばをスタートしてからはひたすら七条駅に向かって歩き、8時06分発の準急に乗ることを目指します。「12分」という所要時間はドアトゥドア、3番のりばから京阪の1番線へ着くにはもう少し時間がかかるので、気は抜けません。

 

7時46分、運営とビデオ通話を繋ぎつつ京都駅3番のりばからスタート。雪に弱い八条口から七条駅を目指します。本来の開始時刻である8時00分には七条駅周辺に到着したいところです。

 

ちょうど8時ごろ、鴨川を渡り七条駅へ。次発の準急電車にはまだ余裕があります。14分のアドバンテージを有効活用できたと言えるでしょう。足柄乗換を完遂したにせとつと高塚さわやかで若干遅れている青梅市代表は、米原駅前から新幹線保存車を目指し歩き始めた頃でしょう。

 

七条駅に到着、乗りたかった準急にも余裕で間に合いました。四条大橋の最寄駅である祇園四条駅への到着は8時09分。カップ麺を待つよりも長い3分間です。

京阪への乗車は5年ぶり、わかきゅーさんはそもそも名古屋以西が初めてという状態でしたが、感傷に浸っている場合ではありません。初めての京都がこんな時間に追われていて良いのか?

 

祇園四条駅に到着。まずは四条大橋を撮影し、次に往路徒歩で三条駅を目指します。しかし「早く三条駅にたどり着かなければ……!」という思いが強いあまり、なるべく北の出口から出ようとしましたが、四条大橋からは遠ざかってしまうという凡ミスをしでかします。何やってんの?

 

8時13分、四条大橋に到着。本来は「河川敷に等間隔に並んでいることで有名なカップルを背景に自撮りをする」という一切のプライバシーが考慮されていない内容だったのですが、カップルもいないし自撮りも嫌なのでヲタク=キャラクターで代用。わかきゅーさんのツインターボは大逃げ、私のセイウンスカイツインテールではないものの*3、先頭グループに属する先行。まさに今の我々にふさわしいですね。

 

四条大橋でのミッションを済ませた我々は、「往路復路どちらかで三条大橋から四条大橋を歩く」という追加ミッションをこなすため、川端通を急いで北上。途中信号を渡るかどうか迷い時間を食いましたが、8時18分に三条駅へ到着。さすが逃げウマ娘の我々は一歩の大きさが違いますね。

 

改札に入り、運営のチェックをもらってから特急に乗車します。21分発でしたが若干遅れていたので、所定時刻の準急電車と同じくらいの時刻に着きそうです。七条駅に着いたら再び京都駅まで歩き、東海道線に復帰します!

 

忘れてた!!

三条大橋までたどり着くことがミッション、すなわち三条大橋の写真も送らなければいけなかったのですが、三条駅にたどり着くことで頭がいっぱいだった我々は、三条駅6番出口のすぐ後ろにある三条大橋の写真を撮影し忘れたまま改札に入ってしまったのです。大失態。

 

やり取りをしているうちに21分発の特急を見送り、向かい側に停車中の23分発準急に乗車。18きっぷで自由に乗降できない京阪にすでに入場してしまっていたため、写真撮り直しは見逃されミッションクリアという扱いにしていただきました。他のチームも京都に着いているであろう忙しい環境で厄介ごとを増やしてしまい、申し訳ない限りです。

 

七条駅で下車し、同じ道を戻って8時46分に京都駅に到着。本来であれば52分発の網干行から再開できるところですが、自責を課すため「さらに1本後の京阪に乗車した」体で進行することとし、運営にもその旨を伝えました。2位以下との差が縮まってしまう危険な選択ですが、せめてもの罪滅ぼしになればと思います。

 

色々ありましたが、報酬ののぞみカードをもらって京都を出発します。9時01分発、京都始発須磨行の普通列車です。京阪神エリアの普通列車として運用されている207系321系は、実に浜松以来のロングシート車。不思議と安心感があります。

 

そうは言っていられません。自主的に2位以下との差を縮めてしまった以上、「追い抜かれている可能性」を考慮して彼らの動向を探っていないといけません。

9時時点で米原の2組が京都に到着している可能性は所要時間からしてありえませんが、2位と3位はどうでしょう。栗東からスタートし、目的地が「伏見稲荷大社」に設定されるであろう3位のYONOASOBIは、2本目となる8時22分発で京都駅に到着していれば、最速で伏見稲荷大社にたどり着くことができます。かなり余裕があるためこのルートを辿っている可能性が高いですが、9時01分に京都駅に戻ってくることは無いため、ひとまず同じ電車ではないことが分かり安心です。

 

問題は2位の二人四脚です。彼らは8時09分に膳所駅をスタート。3以上を出せば一発で京都駅に到着し、市営地下鉄を乗り継げば早くも8時35分二条城前駅に到着します。市営地下鉄は高いですが、徒歩では京都駅から片道40分。勝つためには手段を選ばないでしょう。マズい、想像以上に速いぞ。

 

その後京都駅に戻ってくる最速は8時38分発ですが、現実的に考えてムリなので1本後と考えると、8時57分着。京都駅の構造は把握しきれていませんが、彼らなら頑張れば我々の9時01分発に間に合ってしまいます。こうなると同じ電車である可能性を覚悟したうえで、彼らに遅れを取ることなく強制下車駅の大阪に到着する必要があります。渋っている暇はありません。のぞみカードの出番です。京都から大阪までは16駅。種別サイコロの設定はないため、選択はひとつだけ。いざ、サイコロを振ります!!

 

出た

お釣りなし、文句なしの16。鳥肌が止まりません。わかきゅーさん、ありがとう。大阪到着までの最速切符を手に入れたため、この区間で二人四脚に抜かれる可能性はなくなりました。油断は禁物ですが、9時48分に大阪へ着くまでのひと時の安息を手に入れることができました。

 

9時の時報はおおかた予想通り。米原の2チームも大きな目を出して京都まで猛進中と思われます。彼らの京都イベントは上位よりも負担が少ないでしょうから、想定していたよりもデッドヒートになりそうです。

しかし、大阪駅の到着を前に気になる一報が入ってきます。

 

9時35分、1位のチームが大阪府に突入。

現状の1位(タイ?)は我々逃げ切りツインテールのはずですが、大阪駅に到着しないと時報は発令されないため、これは大阪ではない別の大阪府の駅に到着した別チームのものになります。では、どのチームがどの駅で、どの列車を降りたのでしょうか。

 

仮に同じ電車であったとすれば、千里丘駅での下車になるでしょう。しかし、メタ読みになりますが、今までの時報の正確さを見るに到着から2分経って発令されるのは若干違和感があります。ではその1本後ではどうでしょうか?

 

1本後は京都9時07分発の「高槻から快速」加古川行です。高槻駅には9時30分、向かい側に始発の新三田行が待機しているため、乗り換えて摂津富田駅に9時34分着です。この最悪のケースでも大阪の8駅手前ということになります。YONOASOBIはこの電車には間に合わないでしょうから、降り立ったのは二人四脚大阪駅1番乗りは確定と見て良さそうです。危ない。

……と、この時は予想したのですが、さらに後の電車でYONOASOBIが34分に大阪府1駅目・島本で下車していた可能性もあるんですよね。そうなると二人四脚が同じ電車に乗っている危険性が排除できません。このケースに気づいていないことこそ危ないんですよね。

 

9時48分、大阪駅に到着。エスカレーターを下りながら撮影したためすごい角度になっていますが、駅名標駅名標なのでオーケー。

 

当駅のミッションは「阪急大阪梅田駅で同時発車を観測する」です。入場券を購入し、頭端式となっているホームの先頭へ向かい、同時発車のようすを撮影します。報酬はありませんが、のぞみひかりこだまを1枚ずつ残してあるので大丈夫でしょう*4

 

10時00分、神戸線宝塚線京都線の電車が3本同時に発車。真ん中はSDGsトレインという特典つきです。2本が同時発車すればいいかと思っていたのでびっくりです。ピッタリ並走している必要はないためこの写真を送信し、急いで大阪駅に戻ります。

 

しかし、1人に40万人が乗り降りする駅の有人改札が混んでいないわけがなく、入出場ともに長蛇の列が。しかも、出場列にはYONOASOBIの姿が。磐田ぶりの再会(一方的)に感動しながらも、もう抜かれにかかっていると思わなければなりません。

そんなこんなで入場するも、タッチの差で10時08分発の普通列車を逃してしまいました。並んだ時点でまあ間に合わないだろうと思っていたのですが、意外と閉扉直前くらいのタイミングでホームに上がってこれたのが悔しいポイントです。

 

次の電車は10時15分発・JR宝塚線直通の新三田行です。尼崎からJR神戸線を外れますが、対面でJR東西線からの西明石行に接続しているため、見送ることはできません。これは運行系統を理解していないと難しい話ですが、放送や発車標にも乗り換えられる旨が案内されていますので、有利不利に直結はしないでしょう。

問題は、この電車で神戸にどれだけ近づくことができるか。神戸までは残り16駅のぞみカードが今まで通りの性能を発揮してくれれば十分にたどり着くことができる範囲ですが、果たして……?

 

あああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ

1足りない!!!!

だがしかし、大阪にも種別選択はなく、新快速で巻き返しを図るためには尼崎で下車し、賭けをしなければなりません。後はその奇跡が他チームに怒らないことを信じ、JR神戸線を下るのみです。

 

そうはいきません。

 

にせとつチームが足柄乗換を達成したことによる妨害ミッション東山プラザバス停まで歩く」を実行しなければなりません。

出目はリセットせず、移動中の電車を一旦降りて行うという扱いになります。これもまたメタですが、先ほど大阪で素直にのぞみを使用したのは、尼崎で快速・新快速の種別サイコロを入手したところで普通しか停車しない甲南山手で降ろされるため、むしろタイムロスになってしまうと考えたからです。メタと言いつつやむを得ない戦法ではあります。

 

問題の「東山プラザ」というのは、GoogleMap曰く徒歩27分のバス停。甲南山手駅から出ているバスの終点となっていますが、問題はその標高。駅が12mであるのに対し、停留所は156mも上った先にある168mの地点に位置します。南は海、北は山の神戸周辺ならではの地形で、こんなところをよくもまあ宅地化してバスを通していると感心させられますが、そんなことを言っている場合ではありません。え、これ登るの?

 

とにもかくにも、これを登頂しない限りは神戸に到着できないため、渋々登ります。まずは軽い上り坂を越えてから、阪急神戸線をくぐります。

 

くぐってしばらくするとこれです。写真で伝わりにくければ、各自でGoogleMapをご覧ください。本当に急坂です。私は辛すぎて写真を撮るひまもありませんでしたが、それよりも辛かったのが若々しく体力のある*5わかきゅーさんがずかずかと先に進んでいくこと。上り坂を撮ろうとするとわかきゅーさんが入り込んでしまうという事情もありましたが、記憶から離れない坂が沢山あるのに写真が本当にない。やっぱ皆さんGoogleMap見てきて。本当に辛いから。

 

ヒイヒイ言いながら坂を上り、23番地に当たるT字路を左折して道なりに進むと、右手に現れたのはラストスパートの階段。27番地にある停留所まで1段1段を確実に踏みしめていきます。

 

11時01分、とうとう山頂*6である東山プラザ停留所に到着。駅を出発してから実に22分、わかきゅーさんが先行してくれたおかげで実力以上のスピードで到着することができました。これが大逃げってコト……!?

 

付近には問題のバスが待機中。こいつを使えば甲南山手駅まで9分らしいです。憎らしいですね。もう二度と来ないでしょうが、この無機質な白いバスが忘れられません。

ここで運営に確認を取ってもらったので、すぐに下山を開始します。登山でケガをしやすいのは、油断しきっている下りです。気をつけて下山しなければなりません。

 

ここで11時の時報を確認。我々は出目こそリセットされていませんがイベント中という扱いで、位置は甲南山手。とすると、二人四脚YONOASOBIは未だ甲南山手の登山を開始していないということになります。時刻表を確認すると11時02分着の普通列車があるため、これに乗車していると仮定して動きます。

 

我々が乗車したいのは11時32分発の須磨行。甲南山手駅に到着したのは10時41分。往復で54分と見積もられていましたが、往路を22分で上りきったため、これに乗車できれば、神戸駅の1つ手前である元町駅から快速に乗車することができ、仮に2チームが全速力で登山をして11時41分発に乗車しそのままゴールしても、神戸にはごくわずかの差で早く到着できるという算段です。さすがに39分で上り下りできるとは考えにくいですが、隙を見せたら負けます。ケガをしない程度のスピードで駅を目指します*7

 

階段を下りていると、山から海まで一望できる絶景スポットが。駅から20分でこんな所まで来れてしまうのですね。そう、私たちはこの景色を見るために……と一瞬思いましたが、本当に見たい景色は我々よりも遅れて到着し悔しがる面々です。立ち止まっている暇はありません。

 

いつ頃だったか、来た道を下っていると、曲がり角から見えてきたのは二人四脚の姿。やはり11時02分着の電車でやって来ていたのですね。我々はかなりの距離を下ってきていた自信があったため、高らかに勝利宣言。焦る2人。萩薬師さんはその場でダッシュを始め、海底さんはそれに追いつこうとして靴を脱がしていました。乗る電車が何分でも、我々と同じであることはないと確信しました。

 

11時20分ごろ、甲南山手駅に戻ってきました。私はこの駅を絶対に忘れることはないでしょう。予定よりも1本早い電車に乗ることができましたが、若干心残りがあります。

 

よくよく考えてみると、二人四脚とすれ違ったのは往路から見て中盤に差し掛かるくらい。11時10分ぐらいのことだったと思うので、電車を降りてわずか8分でそこまで到達しているとすると、我々以上に速いスピードで下山してくる可能性が十分に考えられます。しかも、我々が到着したのは11時20分、所要時間は40分ほど。うっかり二人四脚が32分発の電車に間に合ってしまい、かつ出目が神戸までだった場合、彼らと同着になってしまう可能性が出てきたのです。我々は元町で下車する必要があり、そのまま後続の普通列車を待つのが最速であるためです。焦ります。ちょうど元町までしか表示していない車内LCDが我々を煽っているようです。

 

11時42分、電車は元町駅に到着。我々を降ろしてさっさと出発していってしまいました。次の電車は6分後。どうあがこうがすでに結果は決まっているにもかかわらず、永遠のように感じられました。

 

外側線をスーパーはくとが通過していきます。普段は陰陽連絡を担う頼もしい気動車特急ですが、これほどまでにこいつを憎んだ瞬間はありません。今からでも遅くないから元町と神戸に臨時停車しろ!……という私の願いもむなしく、エンジンをふかし特有の匂いをホームに残し、倉吉を目指して去っていきました。智頭急行が嫌いになりそうです。

 

11時48分、後続の須磨行がやって来ました。この電車に二人四脚が乗っていた場合、1位タイということになります。それは何としてでも避けたい事態。甲南山手駅の上りエスカレーターが神戸方にあったため、彼らが乗っているとすれば先頭1号車付近のはず。5号車の女性専用車は通り抜けできないため、4号車に乗り込み1両ずつ彼らがいるかどうかを確認します。

 

4号車、いない。

 

3号車、いない。

 

 

2号車、いない。

 

 

 

1号車、いない。

 

11時50分

逃げ切りツインテール

神戸駅到着1位

やったああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ

 

2日にわたった東海道線すごろく。東京駅を出発してから28時間50分、乗った電車は33本。昨年春から企画していた一大イベントを、わかきゅーさんとともに勝利で飾ることができ、最高の気分です!!チーム名の通り逃げ切ることができました!!

参加してくださった9名。運営という立場でサポートしてくださった方々。神視点のすわさん。そして、このブログをここまで読んでくださった皆さま。私が適当に考えついた企画を実行に移してくださり、それを見てくださる方々がいる。万感の思いです。皆さま本当にお疲れさまでした!

さて、5チームの中で神戸の地を最初に踏むことができ感無量ですが、ここで各チームの順位を見てみましょう。

 

1位逃げ切りツインテール(11:50)

2位二人四脚(11:54)

3位YONOASOBI(11:59)

4位にせとつ(12:05)

5位青梅市代表(13:20)

到着時刻を見てみると1位から4位までわずか15分差という衝撃の展開。え、二人四脚本当に30分で登ってきたの??にせとつ、米原からの追い上げエグくない??青梅市代表も高塚ハンバーグイベントの待ち時間こそ大きかったですが、抜きにして考えればどのチームもかなりの接戦、ということになります。全チーム分あがるかは分かりませんが、あのチームはどこでどんな戦法を取っていたのか。別の視点からこのすごろくに挑んだ方々の記事もいずれアップロードされると思いますので、この記事の最後にまとめてリンクを貼ろうと思います。

 

わかきゅーさんが制作してくださった、2日間の"時報"の位置をグラフ上にまとめたものです。各チームの色は先ほどの順位表と対応していますのでご参照ください。逃げ切りツインテール豊橋・名古屋周辺で大きく突き放していますが、米原彦根で大失速しているのが分かります。あれは電車が悪い。

bot上のシミュレーションでは到着時刻にバラつきがあったのですが、ここまで収束するとは驚きです。ある程度記事が出揃ったら、各チームにいちゃもんをつけていく後日談も出したいですね(悪質)

 

というわけで、3編にわたってお送りしてきた「東海道線すごろく」シリーズ本編はこれにて終了です。またどこかでお会いしましょう!!第2回あるのか?

 

ちなみに、そのあと私は4月5日まで西日本に滞在し、春の中国地方を満喫してきたのですが、それはまた別のお話。

 

<別視点のブログ>

4月17日 二人四脚の萩薬師さん連載開始です。

hg894.hatenablog.com

4月21日 にせとつのにせさん記事です。足柄先導視点。

st02.hatenablog.com

 

*1:米原にたどり着いた2チームは到着が22時以降だったため、8時ちょうどに駅前からスタート。

*2:奢り高ぶっている。

*3:これは気持ち悪いウラ話ですが、そもそも八川のツインテール要素として挙げられるエミリーは、ウマ娘ではなくアイマス。先行ウマ娘セイウンスカイとのハイブリッドで「逃げ切りツインテール」を名乗ることにしていました。

*4:本来は彦根・京都・大阪の出目が芳しくなかった時に補助としてひかり・こだまを使用する予定が、大阪の時点で2枚余ってしまいました。幸か不幸か。

*5:同い年である。

*6:厳密には山頂ではないが我々にとっては登頂達成である。

*7:わかきゅーさんはここでも大逃げを発揮しようとしていましたが、私が身の危険を感じたので止めました。

東海道線すごろく【中編】──爆逃げのツインテール

~前回のあらすじ~

比較的上位につけつつ、吉原のイベントを速やかに終わらせ静岡行を確定させた八川・わかきゅーコンビのチーム「逃げ切りツインテール」。しかし行き帰りを急ぐあまり、八川は道中に18きっぷを落としてしまい……!?一体どうなっちゃうの~!

 

あった。

18きっぷを裸で道のど真ん中に落としました。無傷でした。どうも八川です。

 

……というわけで、無事入場できました。私のスマホケースのポケット(左側のアレ)はちょうど18きっぷがすっぽり入るサイズだったため、ここまではそこに18きっぷを挿し込んで保管していたのですが、どうやら帰りの道で富士山を撮るためにポケットからスマホを取り出した際に、挿し込みが甘かったのかポロッと落としていたようです。ホント何やってんですかね。

 

この緊急事態は即座に運営に申告し、相談の結果わかきゅーさんは予定通り静岡行に乗車し、静岡で強制イベントを1人で先にやってもらい、私は全力で探すという措置を取っていただきました。大船でYONOASOBIと合流した際、片方はお手洗いにより前駅で離脱している中でイベントを済ませていたことを知っていたので、最大限柔軟に対応できた気がします。失くさないのが一番なんですけどね。わかきゅーさんホントにごめん。

 

なお、「静岡プラモニュメント記録」強制イベントは、街中にある組み立てる前のような状態になっている"プラモニュメント"のうち、指定された3つを歩いて記録するというものです。強制イベントの中では一番楽しみにしていたものだったので参加できず残念でしたが、自己責任ですからしょうがないですね。

 

わかきゅーさんよりも1本遅い電車で静岡に到着。私が18きっぷを探し回った時間で一通りモニュメントの撮影を終えてくれていたのですが、「イベントを実行する場合は改札を出場する」という規則を守るため、私が18きっぷを失くしていなければ乗車できた島田行を横目に下車します。もう、本当に申し訳ない。この影響はすぐに出ますので八川アンチの方々はどうぞお楽しみに。

 

13時04分発の浜松行で、次なる強制イベント駅である豊橋を目指します。豊橋を抜けると優等種別が復活し、かつ本数の少ないエリアがたくさん待っているため、実質的に豊橋までがカードを蓄える最後の区間と言っていいでしょう。とはいえ、足を引っ張っておきながら「2」を出すのは論外でしょう。

 

本来は13時10分着予定だったのですが、静岡駅近辺で何かあったらしく数分の遅れをもって用宗に到着。先の画像の通り当駅には「持舟城跡に上り新幹線の通過を撮影する」というイベントがあり、新幹線の停車駅(ないし、それに対応した駅)以外で唯一新幹線カードが配付される唯一の駅だったのですが、島田まで10分間隔で電車が来るのに対しイベントが20分以上かかることが予想されたため断念。自身の選択が正しいことを祈るのみです。

 

ここで18きっぷを失くした弊害が発生。次の出目は「6」、金谷までの移動となりましたが、次にやってくる電車は島田止まりの電車。金谷にたどり着くにはその次の列車を待たなければなりません。つまり、私が静岡で改札を出る間に見送った島田行に乗車していれば、静岡から用宗の移動に利用した1本早い浜松行で金谷に移動できていたのです。

たかが20分、されど20分。最も早く神戸に到着した者が勝ち!というルールですから、電車1本が命取りになる可能性だってあるんです。今この段階ではピンと来ませんが、念には念を入れよ。この分を巻き返すつもりで頑張りたいですね。

 

島田で乗り換え、14時ちょうどくらいに金谷に到着。このあたりは駅間も長く、本数も20分に1本と若干少ない(東海道線比)ため足踏みしたくないエリアですが、イベントは豊富に設定されています。しかしチーム名通り「逃げる」ことを重視した我々は、ここで静岡で入手したひかりカードを使用することにしました。浜松から豊橋はほぼ全ての駅にイベントが配置されているので、豊橋までたどり着けなくてもまあ問題ないでしょう。

 

???????????

ここに来て普通のサイコロでも出せる目を吐いてきました。これにはエミリーちゃんも思わず繧「繧ソ繧キ縺ョ縺吶∋縺ヲ繧偵≠縺偵k繧薙□縺九iに。あまりに出目がしょっぱいので、御厨到着後はこだまカードを使用してブーストをかけようと思います。

 

雪歩…エミリーだよ… pic.twitter.com/0Gwo8BDxrD

— 萩薬師 (@8g894) 2023年4月1日

車内では先に乗車していた二人四脚と遭遇。18きっぷを失くしていなければいなかったはずです。結構拮抗しているようですが、まだ我々のほうが一歩リードしているようで途中の愛野で降りていきました。さらに、空席を探しに隣の車両へ移るとそこにはYONOASOBIの姿が。彼らは逆に我々よりも先を行っているようで、御厨で降りることなく先へ行ってしまいました。三島同着組の接戦がアツい!しかし我々はひかりを使ってこれなのでマズい!!

 

2020年に開業した、高輪ゲートウェイと並んで東海道線で最も新しい駅・御厨(みくりや)です。北口・南口のほかに、東海道線と新幹線の間に設けられた西口がある、珍しい構造をした橋上駅です。

 

御厨もイベント駅です。しかしその内容はしょっぱく、北口の駅前にあるYAMAHAモニュメントを撮影するだけ。もちろん報酬もブックマークカード1枚と相応のものですが、無いよりはマシです。駅近で列車を逃す心配もないですからね。

 

ひかりカードの出目が渋かったため、豊橋までたどり着くまでこだまカードを惜しまず使う作戦に変更。開始前のわかきゅーさんとの話し合いでは、弁天島の「ガヴリールドロップアウト巡礼」・新居町の「新居関跡」イベントのどちらか、特に前者を踏みたかったのですが、手前の舞阪止まりという形に。

浜松~豊橋駅間では「豊橋に着いてさっさと優等種別でかっ飛ばしたい」という参加者の欲とは裏腹に、二川を除くすべての駅にイベントかカード配布があります。我々も止まれれば止まりたいですし、特に弁天島の報酬である「オール6カード」はこだまより効果を発揮する場面もありますから、わざわざ止まるとかえって不利になる場合を除いて止まることにはしていました。しかし、八川、ひらめきます。

 

遅れもほとんど回復し、15時14分、浜松に到着(※自分で写真を撮っていなかったため突然ムーンライトながらが登場しています)。車内は立ち客が多くおりまともな移動はできませんでしたが、磐田のベンチで電車を待っていたYONOASOBI豊田町で電車を降りる青梅市代表、乗り換えた先の浜松始発で一緒になった二人四脚(=愛野からこの電車に乗っていた)の3チームを確認し、ここに来て足柄乗換をしているにせとつ以外の全チームが同じ電車に乗るという超接戦状態に。そんな拮抗することある??

 

そういうわけで、接続する浜松始発の岐阜行普通列車に乗ります。ここで私がひらめいてしまった秘策をご紹介いたします。

 

先ほどから申し上げている通り、浜松からは別の電車に乗車します。もちろんこのまま乗ってもいいのですが、ルールをおさらいすると「出目が浜松止まりだった場合でも、別の電車だからこの岐阜行にそのまま乗れる」わけです。そこで我々は、ブックマークカードを使用することにより浜松で出目をリセットし、サイコロを振り直す選択をしました。こだまカードも使っちゃいます。そんなに贅沢に使っていて不足しないのかと突っ込まれそうですが。

 

浜松は新幹線が停車する駅なので、こだまカードの配付があります。しかもイベントなしで、プレゼントです。ほかにこだまカードがプレゼントされる駅としては三河安城があり*1、何も特別扱いというわけではありません。本来であれば餃子イベントを設置しようと思いましたが、前後のイベントに食が集まり過ぎている*2ためボツになり、代替も提案されずプレゼントになったという経緯がありました。つまり、ブックマークカードを1枚失う以外はノーリスクでこだまカードを消費できるわけですね。補充されるので実質消費してないですし。

 

そんなこんなで、ノーリスク振り直しのこだまカードはなんと「10」。道中のイベントを全て無視して豊橋に到達です。弁天島には行きたかったのですが、4チームが拮抗している状況でせっかくの豊橋を捨てるのはそっちのほうがマズいのでやめました。わかきゅーさんごめん。

 

15時57分、豊橋に到着。強制下車駅であるため、改札を出ながらミッション「大あんまきを買う」を実行しなければなりません。このイベントを達成すると、久しぶりにやってきた優等種別をふんだんに活用できる「種別選択サイコロ」が待っています。出目次第ではさらに相手チームを突き放すことができるでしょう。

 

しかしここで問題が発生。ここまで乗車してきた電車は岐阜行です。厄介にも豊橋止まりではなくそのまま名古屋方面へ向かうため、あんまきを買ってきてもこの電車に乗車することはできません。

最も早く移動するためには、種別選択サイコロで新快速以上の電車に乗車する権利を入手しなければなりませんが、仮にこれが成功しても「あんまきを買う」「18きっぷで改札を出て入る」という一連の流れを5分で済ませなければなりません。これができないと、最上位の特別快速を引かない限りは23分発の普通列車での移動となるため、せっかく引き離した他のチームに追いつかれてしまう可能性が出てきます。そういうわけなので、ツインテールを揺らしながら急いで事を済ませます。

 

改札内にある藤田屋の大あんまき。幸いにもそこまで並んでいなかったためすんなり買うことができました。狙っていた抹茶味がラスト1つでした。これはツイてる、ツインテール

 

改札を出ます。写真にもある通り、この時点で時計はちょうど16時を指しています。時報が来ますが、今見ている暇はありません。とりあえず新快速が発車する5番線ホームに降り立ち、そこでサイコロを振ることに。2分あれば僅かに余裕は確保できるので、あきらめずに5秒前に通った有人改札を再び通ります。なんだコイツら。

 

ミッションを完了させ、ひかりカードを1枚入手。ここでご注目いただきたいのが、種別選択サイコロの「出目」です。快速以上はどう考えても普通のサイコロで出すことはできません。2つ以上振らない限りは……

そう、これが新幹線カードのもう1つの効力「種別選択サイコロの数を増やすことに使う」です。通過駅を設けることで"一歩"を確実に大きなモノにするという戦略で、うまくいけば大きな差をつけることができます。……そう、"逃げ"です。

ただし、それでももちろん普通列車になってしまう場合もあれば、出目を操作できないため*3せっかく大きな種別になってもしょっぱい出目であれば意味が薄い、というリスキーな戦法でもあります。皆さんがこの状況下に置かれたらどうしますか?

 

私たちは、こうします。

そして、成功させます。

見事、最上位種別である特別快速を引き当てることに成功しました。「優等種別を引いても、目的地への先着がそれ以下の種別であれば、そちらに乗って良い」というルールがあるため、5番線に停車中の新快速に飛び乗ります。Discordの時刻を見るとどう見ても間に合ってないんですが、若干発車が遅れていたので問題なく乗車できました。

さて、電車は確定させましたので、問題は出目です。ここで「1」を出してしまうとあんまきを頬張りながら半泣きになってしまうのですが、結果やいかに。

 

≪爆逃げ≫を開始──。

道中12駅をすっ飛ばし、16駅先の刈谷行を確約。欲を言えば「5」を出していればさらに7駅を通過し金山、「6」なら一発で次なる強制イベント駅・名古屋にたどり着けたのですが、これ以上注文をつけるとバチが当たってしまいそうですね。優雅に金山での移動を楽しもうと思います。

 

ここで時報を確認。高塚の2チームは間違いなくさわやかハンバーグのイベントをこなしているでしょうから、しばらく気にする必要はありません。浜松で止まっているYONOASOBI豊橋まで先行してきそうですが、大逃げ体制に入っている我々にとってはまだ敵ではありません。

 

刈谷まで我々を連れていってくれる車内の転換クロスシート、この時の快感はグランクラス席のソレに勝るとも劣らないものでしたが、そこに腰掛けながらあんまきを頬張ります。左が抹茶、右がわかきゅーさんの購入した季節限定の桜味です。存在をこの企画で知り、もちろん食べるのも初めてでしたが、本当に冗談抜きで美味しい*4です。今後東海道線を通ることがあればついでに買ってしまいそうです。

 

しかし、ほぼ時を同じくしてにせとつが足柄乗換を完遂。彼らはこれから豊橋などの強制イベントをすべて無視し、18きっぷで乗車できる範囲の最速移動手段で米原までやって来ます。時刻を調べると、彼らの米原着は1日目のタイムリミットである22時以降となるため、2日目開始の8時から行動ということになります。加えて1時間程度の妨害ミッションが発令されることを考えると、余裕をもって行動するには今日中に京都ぐらいまで到着する必要が出てきました。残り6時間。やってくれるじゃないか、にせとつ。果たしてたどり着けるのでしょうか?

 

どこかの駅を高速で見送るツインテール。辻堂こそ特別快速サイコロで判定上通過していますが、東京を発って9時間でようやく初めて実際に「駅を通過する」という経験ができました。これにはエミリーも笑顔ですね。

 

優等列車は速いため(小学生)、あっという間に刈谷に到着。刈谷もイベントがありますが、ちょうどここで緩急接続を行うため向かい側には普通列車が停車中。25分ほどかかるSLお詣りイベントよりもこのまま乗り換えたほうが得策と判断し、普通列車を選択します。

しかし、ここから名古屋までは10駅。15分おきに普通列車が来るエリアではありますが、ちまちま進んでいると爆逃げした意味が薄れるので、こだまカードを使って出来るだけ名古屋に近づいておきましょう。

 

名古屋着いちゃった。

これはラッキー。この普通は刈谷から先、名古屋まで優等列車に抜かれることはないため、実質的に優等列車のようなものです(?)。つまり、豊橋で「5」を出していても結局はこの電車に乗っていたということですから、8駅手前の刈谷から黄金ルートを模倣できるのはかなりのプラスです。横浜で「3」を出していたのは帳尻合わせだったんだな。許す。

 

名古屋には17時10分着となるため、17時の時報刈谷で出ます。これだけでもかなりの差をつけることができている気がしますが、YONOASOBIが1~2本後の優等列車で追いかけてきている可能性があるため、実は全くもって油断できません。我々が早川あたりでそうしていたように、彼らは1位に追いつくための戦略を打ってくるに違いありませんから、"追われる者"として彼らの動静を予測し、常に一歩先を行かなくてはなりません。これ、かなり精神的にきます。逃げ馬も楽じゃないですね。

 

名古屋に到着。普通列車は15分おきですが、基本的にどの列車も優等列車に抜かれるため長時間停車するので、次に乗車できる電車は25分後です。その間に当駅のミッション「住よしできしめんを食べる」を実行します。駅ホーム上に何軒もある名物店で、ちょっと待てばすぐに出てきます。あんまきと合わせて並盛で満腹になりました。

ここで品川以来ののぞみカードが配付され、2枚所持となりました。残りは京都での強制イベントと、新大阪の任意イベントの2枚。使いどころを見誤らないようにしたいです。

 

だんだんと日が暮れ始め、早く京都にたどり着かねばという心理的な焦りがある一方で、ここから大垣までは普通のサイコロを使用しながら進んでいきます。JR東海の最終関門である大垣~米原駅間は30分おきにしか電車が来ないため、この区間で降りてしまうと平気で追いつかれてしまう可能性があるがゆえ、下手に大きな目を出せないのです。でも「1」じゃなくてよくない?

 

幸いにも次は「6」を出すことができたため、大垣まではあと2駅。稲沢には楽にこだまカードを入手できるイベントがあり、手持ちがのぞみ2枚、ひかり0枚、こだま1枚と細かく進めるカードが不足していたためちょっと欲しかったのですが、確実に進めるだけ進みます。

 

18時の時報はこの通り。1時間経ってもYONOASOBI豊橋ということは、普通列車だけで一気に名古屋へ向かってきていると推測。しかし、あわよくば抜かせているかもしれなかった逃げ切りツインテールが既に名古屋を突破していることで大きな動揺を与えられたと思います。二人四脚青梅市代表は同じイベントをしていたはずなのに、なぜか結構な差が生まれてますね。にせとつは直行してきていますが、我々は京都を目指すのみです。

 

普通列車はほぼ全て岐阜止まりとなり、ここからは同じく15分おきに走っている優等列車たちが終点まで各駅に停車します。対面乗り換えで西岐阜へ。

 

西岐阜でもこだまカードは使用せず、普通にサイコロを振って「3」。大垣を越してしまうため、大垣でブックマークカードを使用します。その理由は大垣のイベントにあります。

 

やってきたのはちょうど大垣止まりの特別快速。先ほどの岐阜駅から20分と経っていないはずですが、辺りはすっかり真っ暗です。時刻は18時40分、ひとまず米原を越えることはできるでしょう。

 

大垣のイベント内容は「井戸水を飲む」です。水の都とよばれるほどの自噴帯である大垣は飲み水として利用できる湧水が点在しているため、それを飲め!というミッションです*5。北口歩いてすぐのところにはコップがあったため、口はつけずに証拠としてパシャリ。報酬のオール6カードをもらいます。

 

駅に戻るとちょうど米原行が。岐阜から米原までの夜ダイヤでは米原行と大垣行が交互に走っているため、西岐阜から大垣までの電車が大垣行だったので幸いにもすぐに米原行が来てくれました。つまり「1」を出して穂積で降りていた場合、余計に30分も時間を食っていたことになります。危ない。

 

入手したオール6カードを早速使用し、次なる強制イベント駅・米原までの移動を確実なものとします。もし、穂積が出ていたら……。ブックマークカードを使わず、垂井で降りていたら……。紙一重の戦略ではありましたが、結果オーライです。

 

19時の時報では二人四脚が大きく前進し、YONOASOBIとともに名古屋へ。そこに中央本線経由で旅行していた運営のはずのちよめさんが、本来の目的であった富士宮の桜を見終えて何を思ったのか再びこっちにやってきた神・すわさんがにせとつに合流し、名古屋と菊川は大賑わい。青梅市代表は岡崎でイベント中でしょうか。我々の時報は大垣で出てしまうので、先ほどの戦法は等しくどのチームにも気づかれてしまうことになりますがまあ良いでしょう。

 

19時39分、米原に到着。いよいよ西日本エリアに突入、ラストスパート感が出てきました。当駅の強制イベントは「保存されている新幹線車両の撮影」です。東口から徒歩10分ほどの地点に鉄道総合技術研究所があり、高速試験に供された試作車両たちが保存されているのです。

 

真っ暗でろくに楽しめない!!

左は日本最高速度443km/hの記録を持つ「300X」、一番右が「WIN350」、真ん中の電灯が切れて存在すら怪しい車両が「STAR21」です。これは明るい時間帯に個人的にまた来たいですね。

 

というところで、米原19時48分発の播州赤穂普通列車が出発していきました。終点に到着するのは23時59分のようです。大変ですね。否、電車の心配をしている場合ではありません。

 

この電車を逃してしまったため、次に乗車することができる普通列車*645分後。新快速を除外すると、始発・終電含め最も間隔の開く時間帯に当たってしまいました。これはマズい。非常にマズい。我々が米原で上郡行を待っている間に、YONOASOBI二人四脚の名古屋組がかなり近い位置まで追いついてきてしまいます。下手すると米原まで来てしまうかもしれません。しかも米原に種別選択サイコロはなく、次の彦根というイヤらしい配置になっているのです。

そこで逃げ切りツインテールは少しでも彼らから遠ざかり、かつ京都に近づくために、ある策に出ます。

 

20時14分の新快速に乗車します。

いやいや、優等列車には乗れないだろう?趣旨を忘れたのか?と皆さまお考えでしょうが、お手持ちの資料をご覧ください。「出目までの停車駅が完全に一致する優等列車には乗車していい」というルールがあります。これは、岐阜から米原などで詰まないように設定され、実際に先ほどまで適用していたものです。ひとまずサイコロを振り、何が出てもブックマークカードを使用し1駅先の彦根まで行くという戦法が可能なのです。確かにできるけど、彦根じゃ大したことないだろう!とお思いでしょうが、すぐに効果が表れますので、我慢してご覧ください。

 

そういうわけでサイコロを振りますが、ブックマークカードを使うまでもなく彦根を出してくれました。乱数は逃げ切りツインテールを理解してくれています。運営から!?のリアクションがついていますが、何のカードも使わず普通にサイコロを振っていることに驚いてるんだと思います。たぶん。

 

彦根に到着。20分後の普通を待ちますが……。

ここでのぞみカードを使わないわけにはいきません!

京都でもらえるものを含めれば3枚。神戸までは残りちょうど50駅。ここで渋っていては、かえってのぞみカードを余らせてしまいます。大阪も強制下車駅ですので、京都・大阪・神戸。京阪神を目指すために1枚ずつのぞみカードを消費していく作戦です!まずは京都、18駅先。頼む、なるべく大きい目が出てくれ!!

 

17!!

 

17?!?!

 

というわけで、京都駅の1つ手前である山科に到着しました。大きい目を出してくれてありがたいんですが、なんでそんな中途半端なところで停まるんですかね。

とはいえ、時刻は21時37分。イベントはともかく、京都駅への到着を確実なものとしました。山科は新快速停車駅であるため、次の電車は米原を10分後に出た姫路行を近江八幡で追い越している新快速、6分後です。琵琶湖線基準では。

 

山科~京都駅間では湖西線からの普通列車に乗車することができます。

もし彦根まで移動していなければ、降車駅は大津。この湖西線からの普通列車に乗車することはできませんでした。まだ「たかが数分差」とお思いの方が大勢でしょうが、この数分の差が京都駅のイベントでは大きな意味を持ってきます。

 

間髪入れず、1番のりばに湖西線からの京都行がやってきました。文字通り「京都に行け!乗せてやる!」と、我々に向けてご用意されている気がしてなりません。ありがとう、JR西日本。ありがとう、湖西線。ありがとう、221系ありがとう、ニシノフラワー。

 

21時46分、京都駅は3番のりばに到着。ここからイベントをクリアすることは不可能であるため、逃げ切りツインテールの1日目はこれにて終了です。公平さを保つため、この余った14分を翌日の8時スタートから繰り上げ、2日目は7時46分にスタートすることとなります。このわずかな差、湖西線による数分のアドバンテージが何を意味するか。

 

京都駅のイベントは、順位が高ければ高いほど遠くの場所に行かされるのです。

 

次回、完結編です。たぶん明日には出ます。東海道線って言ってるのに京阪乗っちゃった。

*1:駅前に何もないためイベントの作りようがない。

*2:三島・豊橋・名古屋での強制イベント、西焼津・高塚のさわやかハンバーグイベント。

*3:ただし特別快速に設定してオール6カードを使用すれば一発で名古屋というぶっ壊れもある。

*4:ブログ名に反している。

*5:健康不安がある場合は行くだけで良いという取り決めはしてました。

*6:「快速」と表示が出ているが、次の強制イベント駅の京都より先に位置する高槻までは「普通」として運転されるため問題ない。

東海道線すごろく【前編】──逃げ切れ!ツインテール

4月1日(土)

おはようございます。東京は朝の七時、私は東京駅にいます*1

 

この日は以前より仲間内で企画していた、「東海道線すごろく」の開催日。ルールは簡単!すごろくの要領に則り、サイコロを振って神戸まで東海道線を乗り継いで行くだけのシンプルなものです。さらっと申しましたが、東京から神戸までは東海道本線を素直に下っていくと166駅もあります。むろん泊まり確定です。

真っ向からサイコロひとつで挑んでも面白くありませんので、道中には「イベント駅」で有利なアイテムを手に入れたり、ルート分岐優等種別乗車チャンスなど、戦略的な要素が大きく絡んできます。

2023.04.08追記)より細かいルールについては進みながら説明していきますが、この記事の一番下にルールと各駅のイベント表を設置しましたので、保存していただきながらご覧いただくと理解しやすいかもしれません。

 

開始前に、参加者の5組10名で記念写真。このほかにも、Discordサーバー上で監視役を担当してくださる運営(しら・ゆのつ・ちよめ・あまがさ*2・あやせ、敬称略)、この写真を撮影してくださった神視点の同行者・すわさん*3ののべ16人が関わる壮大なイベントになりました。では参加者とチーム分けの紹介です。

 

逃げ切りツインテール 八川・わかきゅー
ツインターボと言えば大逃げ。エミリーと言えばツインテール。髪を揺らしながら、目指すは他を圧倒しつつ神戸に1番乗り!このブログは当チーム視点の記事になります。

YONOASOBI ふりうり・さくらす
与野を愛するふりうりさんと、与野のホテルに泊まったことで上野東京ラインの惨事を回避したさくらすさんの鉄道ニッチ分野コンビ。Discordサーバー上でサイコロを振れるbotを作ったのはふりうりさんです。

二人四脚 萩薬師・海底

撮り鉄の三脚と音鉄の一脚を合わせて四脚で神戸を目指します(どっちも協調性がないので二人三脚出来ないため)。道中で電車が止まったときに離脱しそうなチーム第1位。

にせとつ にせ・ひがとつ

東京から大阪まで自転車で走破したにせさんと、E217系のためなら西へ東へどこまでも、なひがとつさん。どちらも体力には自信アリ?道中の行動が読めないチーム第1位。

青梅市代表 たつたあげ・C13

青梅市13万人の期待を背負い、東日本地域の音鉄がSUNTRAS地域へ侵略を開始!集合直前の中央線人身事故をなんとか回避できて良かった。

 

というわけで、開始時刻の朝7時に合わせ5・6番線ホームへ。東海道本線の全駅を対象としているため、横浜まではもちろん各駅に停車する京浜東北線山手線にしか乗ることができません。たとえ「2」が出て新橋に行くことになっても、有楽町を通過する東海道線には乗ることができません。東海道線すごろくとは、修行なのです。

 

まずは、強制イベント駅*4である6駅先の品川を目指し、各チームDiscord上でサイコロを振ります。一発で品川にたどり着くチームもある中、我々逃げ切りツインテールは……

 

 

逃げ切りツインテール、早速大きく出遅れてしまいました。どうも1を出したのは我々だけらしく、かつ最初の出目のみを公開し合ったため、他のチームは田町以上まで進むことが分かっている状況。「神戸で待ってる」と言い残し、ただ1チームだけ山手線を下車したのでした。しばらく神視点のすわさんも同行してくださることに。

今後は1時間おきに運営から発表される時報で「最後にサイコロを振った駅」もしくは「イベントを実行中の駅」が公開されるため、正確な現在地は分からず、どのチームが最も早い電車に乗っているかは推測するしかありません。しかしあまりに遅いと「逃げ切りツインテールは気にしなくていいか」とナメられますので、なるべく早く巻き返す必要があります。

幸いにも、なぜか東京~有楽町で抑止を食らっていた本来乗れないはず*5京浜東北線がやって来ました。今回は「同じ電車」に乗れないだけで、神戸到着の時間を競う対決であるため、さっそくルール上の穴を突いた*6亜空間接続が実現しました。これに乗車し、ひとまず品川まで出たいですね。

 

 

ものすごーく雲行きが怪しくなってきました。品川までの各駅には、新橋がイベント駅(品川まで無条件ワープ)・高輪ゲートウェイカードプレゼント駅(ブックマークカード・後述)だったのですが、その間を縫うように鈍足で停車していくのは恩恵も何もあったもんじゃないです。1発で品川行きを獲得したにせとつが今どこまで進んでいるかを意識しながら、品川を目指します。

 

田町では山手線が先に入線してきましたが、先に発車メロディを鳴らしたのは京浜東北線だったため4番線へ。こういう時にどの駅どの番線でどの曲を使っているか記憶していると、どっちに乗るのが適切かが分かりやすいですね。皆さまにとっても、一刻も早く神戸にたどり着きたい時には有効な手段です。

 

出目は3でしたが、強制イベント駅の品川に到着したためリセットのうえ下車。当駅でのイベントは郵便車仕様の「0kmポスト」撮影。改札内なので、場所さえ知っていれば一瞬で片づく簡単なイベントですね。どのチームも同じイベントなので、ポスト前で二人四脚と鉢合わせしました。彼らの出目は覚えていませんでしたが、初手田町以上かつ我々と同じ電車だったということは東京→田町→高輪ゲートウェイ→品川と動いていることが推測できます(実際そうだったみたいです)。ひとまず、1チームには追いつくことができました。

 

ミッション完了。1度にサイコロを4つ振ることができる「のぞみカード」を1枚入手しました。このカードの使いどころこそが各チームの腕の見せ所。勝敗のカギを握っていると言っても過言ではありません。

初期の手持ちは、同様にサイコロを2個振れる「こだまカード」が2枚、出目を6に出来る「オール6カード」が1枚、出目の途中駅で停車することができる「ブックマークカード」が3枚。少々心許ないですが、これらを途中駅のイベントをこなすことで補充していくか、気にせずガンガン進むのか。チームの性格が出ますね。

そして最初の「種別/路線選択」です。出目を決定する前にサイコロを振り、良い目が出れば次回に限り優等列車のカウントで進むことができます*7。ここは京浜東北線を避けながら、大きい目を出して前進したいですね。

 

結果、種別選択でも出目でも4を出し、横須賀線経由で横浜へ向かうことに。東海道線の支線扱いである品鶴線を経由するルートで、一見すると当たりに見えますが、3以下を出すと京浜東北線にも乗り換えられずに次の横須賀線を待つ羽目になる実は恐ろしい経路です。東海道線で「川崎」というのもしょっぱいですが、すぐに京浜東北線に乗り換えられる点ではマシに思えます。

 

7時32分発の逗子行で横浜に向かいます。横浜はイベント駅で、内容は「東横フラワー緑道」の入口に向かうというもの。報酬もこだまカードと貰って損はないですから、イベントに備えてより東横フラワー緑道に近い最後尾に乗車したのですが、西大井を出発したところで、偶然にも仁王立ちしながら電車を見送る二人四脚の姿を観測することに。これで暫定4位以上です。わ~い!

 

7時56分、横浜に到着。横浜からは"本来の"東海道線の各駅に停車していた京浜東北線根岸線となって本線と別れるため、戸塚までは引き続き保土ケ谷・東戸塚に停車する横須賀線系統に乗ることになります。2本後に間に合うのを目標に、すぐさま改札を出て東横フラワー緑道に向かいます。

 

画像

徒歩5分ちょっとで東横フラワー緑道に到着。ニシノフラワーも喜んでいます。写真を運営に提出しOKをもらい*8、こだまカードを入手。急いで横浜駅に折り返します。

ここで小さい目を出すと、西大井のように東海道線に乗り換えられないまま時間を過ごすことになるため、さっさと戸塚から本線に合流するべくこだまカードをその場で使用します。サイコロ2個、最大で12駅進めるので、湘南の風を浴びながら首位に躍り出たいですね。

 

ゑ?

まあ確かに、避けたかった事項は避けられてはいるんですが……3だと、横浜で素直にサイコロを振っていたとしてもあんまり変わらなかったであろうことが想像できます。素直に言います。失敗した!

 

ここで8時の時報を確認。駅で言えば最も神戸に近いのは我々ですが、この時はイベント中。YONOASOBIの鶴見もイベント駅ですが、他の3チームは「最後にサイコロを振った駅」が表示されているわけですから、我々が本当に1位である可能性は限りなく低いでしょう。これはマズいですね。あと3チームも品鶴線経由なの面白いですね。二人四脚は4駅連続停車ですね。

 

戸塚では対面の0分乗り換えが実現し、ロスタイムこそ生まれずに東海道線へ合流できましたが、またもや渋い出目。この先大船を過ぎると二宮までイベント駅がないため、ブックマークカードを使用し大船のイベントを実行することに。大船のイベントは次の出目が「特別快速判定」になるというもの、ここで一発大きな出目を出せば1位も夢ではありません。

 

大船駅のイベントは「大船観音の撮影」。拝観料が取られないギリギリまで近づくかつ姿を撮影すればOKという内容でしたが、開門前のため怒られなさそうな範囲で引き返し、駅のデッキから姿も拝んでミッションクリアです。なお、駅を出たところでイベントを終了後のYONOASOBIに遭遇したため、神視点のすわさんとはここでお別れしました。

 

しかし、出目はこのザマ。名前は速そうな特別快速ですが、大船から先の通過駅はたった4つ。平塚まででは1駅しか通過していないため、またしてもさほど得のないイベントになってしまいました。チャンスを活かせないどころか、余計に時間をロスしてしまったため巻き返す必要があります。

 

9時06分、平塚に到着。平塚から先は国府津・小田原と段階的に本数が減っていく区間です。しかも次は短いスパンで熱海行が2連続。ここでちまちま停車していると他チームとかなりの差が生まれてしまうため、連続の熱海行を利用し大きな目を出してさっさと抜け出したいところです。

なお、国府津から御殿場線を経由する別ルートもあり、選択するだけでサイコロを3回振れる「ひかりカード」を5枚も貰えてしまう魅力的なものだったのですが、冒険できる状況ではなかったため断念。大人しく本線をひた走ります。

 

うおおおおおおおおおおおおおおおおおお
わかきゅーさん、ありがとう!!次発が熱海行であるためロスタイムもなく、かつ最高の出目で小田原を越えることができました。開始2時間にして初めて5以上の目が出ました。これには思わずハイタッチ。9時の時報YONOASOBIが大船、二人四脚青梅市代表が茅ケ崎、にせとつが二宮。我々より先に大船を出ているはずのYONOASOBI含め、どのチームもみな平塚より先を走っていそうです。危ない危ない。

 

本当はぶっちぎって「早い八川、早川。」とか言いたかったんですがそんな余裕はないので、12分後の熱海行でさっさと抜けてしまいます。

 

ここで手持ちのオール6カードを使用。湯河原と熱海にイベントがあったのですが、それらを無視して三島までの移動を確約させます。これは三島が強制イベント駅であるためです。手前でイベントをするより、とにかく駒を進めることが重要であると考えての策だったのですが、吉と出るか凶と出るか。少ないカードでどう差をつけるか試行錯誤していると、運営からとんでもない知らせが。

 

にせとつ、足柄乗換イベント開始。

実は、国府津から分岐していたあの御殿場線ルートにある足柄駅には、同名なのに徒歩で6時間以上かかることで有名な小田急線の足柄駅まで乗り換えるという超過酷なイベントが設定されていました。代わりに達成すれば途中の強制イベント駅を無視して米原までワープ、かつ他のチームを妨害するミッションを1つだけ考えられるというオイシイ特典があるのです。妨害要素はここだけ、という点でもアツイです。とはいえ、米原までのイベントを全て無視することになるのでカード入手の機会は減りますし、何より疲れるので、この知らせが届いた時点で我々はにせとつチームの正気を疑いました。

 

10時06分、熱海に到着。10時の時報ではまだ誰も三島にたどり着いていませんでしたが、別個で出る「1位のチームが静岡県に突入しました」というお知らせが9時44分にありましたので、2位以下であることは確実です*9にせとつが足柄のりかえを敢行した以上、妨害ミッションを踏まえると彼らより先に米原を越えていないと勝利は厳しくなります。他チームと波長を合わせつつ、隙を見て抜け出して逃げ切る作戦を取ることにしました。ところでアロハ電車乗りたいので伊東線行っていいですか?

 

10時28分、三島駅に到着。当駅の強制イベントは「みしまコロッケを食べる」です。ホームページに掲載されているみしまコロッケ認定店で人数分のコロッケを購入することが目的です。報酬はひかりカード。認定店は市内に点在していますが、駅前で済ませないと他チームとの差が埋められません。急いで駅前の認定店で購入します。

 

ローソン三島駅南口店、108円(税込)。本当に認定店なのか購入した私でも疑問なのですが、きちんとパンフレットに掲載されてます。三島馬鈴薯を使用した町おこしにコンビニエンスストアが協力しているのは好感持てますね。

 

信号を渡って駅前に戻ると、駅併設のお店でコロッケを購入しているYONOASOBI二人四脚の姿が。実は3チームが同じ電車で降り、これから同じ電車に乗るという状況だったことが判明。もし、あのタイミングでわかきゅーさんが6を出していなかったら……と思うと背筋が凍ります。オール6カードのタイミングも適切だったでしょう。

 

2022年3月から静岡地区の運用に入るようになった313系8000番台。転換クロスシート仕様のため始発駅から乗車するぶんには長旅の味方ですが、途中から乗るときによこされると立ち移動が確定したようなものです。もちろん、3チームとも立っています。

 

出目は「2」、片浜下車です。ちょうど片浜には「神明塚古墳」を訪れることで快速サイコロを振ることができるイベントがあります。静岡地区には快速がほとんどありませんが、休前日の1本のみ三島発静岡行の快速列車が設定されています。停車駅は富士までの各駅と、清水・静岡。加えて次なる強制イベント駅が静岡なので、6で静岡を出せば他チームとかなり差をつけることができます。次の電車を待っている間にこなすことができるので、さっさと済ませてしまいましょう。

 

学ぶ冒険。古墳時代の中でも前期に作られたと言われる神明塚古墳です。古墳の全容は撮りようがないため、看板を撮影することでイベントはクリアとなりました。問題は快速サイコロです。「5」か「6」を出すことができれば大きなプラスになりますが、果たして。

 

やってしまった。快速は富士までは各駅に停車するため、普通列車と変わらない出目を出してしまいました。まあしかし、イベント実行で電車を1本見送ったわけでもないのでプラマイゼロと考えることはできますが。本来はオール6カードをこのイベントで使用することで静岡まで一気に抜け出す予定だったので、早川で使用した以上運頼みではあったのですが、ちょっと厳しいですね。

 

ここで11時の時報を。実は先ほどの電車を沼津で降りていた二人四脚は沼津のまま、我々より先へ行ったYONOASOBIは三島のまま、つまりまだ乗車中。青梅市代表は一歩遅れて函南、私たちが片浜を発つころにコロッケを頬張っている頃合いでしょうか。片浜から乗車する電車に二人四脚が乗車しているはずなので、にせとつを除外すればひとまず2位タイとまずまずの位置につけていることが分かります。てかにせとつ早くない?

 

吉原にもイベントがあったので実行。内容と報酬は画像の通りです。次の電車が21分後に対し、クリア時間の目安が20分。これはGoogleMapの所要時間を基に私が算出したものですので、急がないとギリギリ電車を1本逃してしまうことを誰よりも分かっています。早歩きでイベントを実行します。

 

急ぎ過ぎて写真がぼやけてますが、公園は公園です。運営に送信しクリア許可をもらい、来た道を駆け戻ります。現状はのぞみひかりが1枚ずつ、こだまが3枚、ブックマークカードが2枚。カードを溜め込んでいても仕方ないので、吉原から新幹線カードを使用して一気に静岡を目指します。この区間でちまちま降りていても退屈なので、ここは大きい目を出すためにひかりを使おうではありませんか!

 

静岡確定!

これは大きい!わかきゅーさんの引き運さまさまでございます。実は先ほどから交互に振っているのですが、出だし有楽町横浜こだま片浜快速と良いところのないどこかの誰かさんとは大違いでございます。静岡の「10」はこだまでも出る目ではありますが、トラウマが頭を過ったため思い切ってひかりにしちゃいました。移動先の静岡のイベントをこなせば再びひかりを1枚入手できますので、そこまで不安はないです。あとは電車に乗って移動するだけですが……

 

18きっぷが、ない……?

八川、ゲーム続行不能の大ピンチ!!!!!!!!!!!!!!

 

次回へ続く。中編になるか後編になるかは文量次第ですね。

おまけ画像は、西大井あたりで引いたミリシタ10連ガシャです。逃げ切りツインテールは固い絆で結ばれているので、ピックアップ中の二階堂千鶴さんを同時に引き当てました。18きっぷをなくすとも知らずに楽しそうですね。

 

(以下:2023/04/08追記)

スタート前に全体へ配付した詳細ルールです。複雑ですね。輸送障害は実例がなかったので読み飛ばしていただいて構いません。

 


各駅のイベント状況をまとめた表です。ズレはご容赦ください。

背景はピンクが強制、水色が任意イベント、肌色が種別選択駅です。

報酬欄の「」「」「」は各新幹線カード、「」がブックマークカード、「」がオール6カード、「」がイベント後優等種別サイコロ、「数字」が対応する駅に移動、「数字(斜線)」が移動後のサイコロが優等種別判定です。

 

*1:国道1号の写真を撮りに行こうと思ったら日本橋口にたどり着いてました。

*2:本来は参加予定だったものの予定が合わず断念。

*3:静岡方面に出かける用事があったため、全チームの動向が見れる状態でどこか1チームについていくスタンス。

*4:出目にかかわらず下車し、ミッションをこなさなければならない駅。出目はリセットされるが、ほとんどの駅でアイテムの支給がある。

*5:東京6時59分発。

*6:このルールの骨組みを作ったのは八川である。ガバ。

*7:この場合、出目を振る際に新幹線カードを使用することはできないが、オール6カードとの併用はできる。

*8:さすがに別の写真で提出してます。

*9:ネタバレになりますが、実はこの通知は「にせとつ」が御殿場線に乗りながら達成した実績でした。

ミリオンのカバー曲を妄想する

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2022年度もまもなく終わろうとしています。木次線も冬眠から目覚め、人によっては新生活に向けて慌ただしくなってくる季節でもあります。私は花粉症で顔面が慌ただしい状態です。八川です。

1ヶ月ぶりに筆を執って書き始めたのは放置している遠征記ではなく、アイドルマスターの話です。

 

www.youtube.com

初代とも言うべき「765AS」の13人とシンデレラガールズの一部メンバーはアイドルごとにCDが発売されており、中にはオリジナル曲だけではなくリアルアーティストのカバー曲も収録されています。これはCDの発売元が「日本コロムビア」と音楽業界でも有名なレーベルであるからこそ出来ることで、もともと存在する曲を歌唱しているとアイドルに対する"現実感"を膨らませますし、何より知ってる曲だと2倍楽しめるのでとても良いと思っているのですが、ミリオンにはそれがありません。悲しい。

というわけで、以下は実現しないであろうカバー曲を、担当&推しのアイドル+αが歌唱することになったらどんな曲が良いかなア……という妄想のみで構成された記事となっています。興味のある方はお付き合いください。

 

 

エミリー スチュアート

ミリシタ】忍者エミリーいいよね【限定SSR】 | せつPのブログ

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エミリーは、村下孝蔵さんから「踊り子」です。特急列車でなく原義の踊り子です。

まずエミリーのカバー曲を選出するにあたって、大前提として「英単語を使っていないこと」を意識しました。それでいて、日本語だけで繊細な歌詞を紡いでいるアーティストと言えば、村下さんしかいないなという結論に。「踊り子」は失恋曲でエミリーの印象からは遠いものがありますが、スペードのQを歌わされてるので大丈夫でしょう。たぶん。練られた奥ゆかしい言の葉を丁寧に歌い上げるエミリー、見たくないですか?私は見たい。

そういう意味ではbeatmaniaの「黒紅掬い」なんかも良いですね、と思ったんですけど、これも失恋曲ですね。失恋という細やかな感情には、大和言葉がよく似合うのかもしれません。

 

天空橋朋花

フォーチュンガール 天空橋朋花 | Fantasia | matsurihi.me

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朋花様はALI PROJECTから「あたしがアリスだった頃」です。ローゼンメイデンやAnotherの主題歌で有名なアリプロ。聞く者を一発で退廃的で幻想的な世界へと誘ってくれます。初期のほうはこの曲のように穏やか(ながらも確固たる主題を持っていますが)なものも多いですが、次あたりからはダークな曲が増えてきます。そっちのほうも朋花には似合ってそうですね。朋花がカバー曲を出すことになれば、アリプロは外せないと思います。ここまで似合ってることそうそうないです。

 

ロコ

ロコ| アイドルマスター ミリオンライブ! シアターデイズ(ミリシタ)| バンダイナムコエンターテインメント公式サイト

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アーティストなアイドル・ロコには、テレビアニメ「ぱにぽにだっしゅ!」のオープニング曲から「少女Q」です。スペQではないです。

ギャグアニメの本編に対し全く脈絡のない歌詞で、フレーズにもまとまりがないのですが、思春期特有の思考というか、自意識というか。そこから来る謎の自信とやらが絶妙に織り交ざっていて、伴田家の末っ子というプレッシャーと、そこから来る葛藤を抱えているロコによく合いそうだなあと思ってます。

他には、ポップしなないでの「Creation」とか、アーバンギャルドの「アンドロギュノス」とか考えました。いつも明るく振る舞っているロコですが、隠し持つ燻ぶった心を爆発させてほしいな、と歪んだ願いを持っていないとできない選曲だと思います。最悪だと思う。

真壁瑞希

SSR-真壁瑞希-ミリシタ | 甜花のBONBONDAY

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ポーカーフェイスながら誰よりも感情豊かな真壁瑞希さんは、タンポポの「恋をしちゃいました!」をチョイス。ソロ曲が4つすべて恋愛関連という欲にまみれた恋多き乙女なので、冒険せず無難に年頃で等身大な女の子!って感じの曲を選んでみました。そういう歌詞を書かせればつんく♂さんの右に出る人はいませんからね。

たしかに彼女の恋愛的要素は大きな魅力でもあるのですが、公式でもうちょっと違った視点の曲が欲しいかなあと思ったり思わなかったりします。新たな一面が見たいですね。

 

徳川まつり

徳川まつり_カードセリフ - ミリシタ攻略まとめwiki | Gamerch

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姫にはかせきさいだぁの「冬へと走りだそう」を。ラップ黎明期のナンバーで、おおよそ姫らしくない意外性をもったチョイス、だと思います。現代ラップにみられる韻踏みは強調されておらず、代わりに詩的な表現が散見されており、ラップと聞いて受ける印象とは違った読後感(聴後感?)が得られる名曲です。

「はいほー」「なのです」というフレーズが若干姫っぽいなと思ったのが入口で、ただそれだけなのですが、夏休みをインドア派で戦っていたので、冬は活動的でも良いかな、なんて。若干攻めた歌詞も入ってるのですが、そこは若干姫というアイデンティティに対する揺らぎのようにもなっているかもしれません。曲解ですがね。

 

大神環

本の世界で大冒険! 大神環 | Fantasia | matsurihi.me

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天真爛漫で活発的な女の子の大神環ちゃんは、エリオをかまってちゃん神聖かまってちゃん)から「タツから眺める世界地図」です。

題名から分かる通り真逆の曲です。引きこもってます。賛否あるかもしれませんが*1、「Arrive You~それが運命でも~」でオトナな世界を歌ってくれた環ちゃんが、内向的な曲を歌うとまた新たな一面が見られるのではないか、と勝手に考えているのです。自意識だけは強い曲なので、そのあたり性格と一致することはないでしょうが。「ポケッターリ モンスターリ」とかも考えたのですが、ありきたりかなあと思ってちょっと捻くれた選曲にしました。

 

福田のり子

乙女、風に吹かれて 福田のり子 | Fantasia | matsurihi.me

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姉御肌でボーイッシュな一面もある福田のり子さんには、パーキッツの「ピンク」を。

歌はざっくばらんに言うと「想い人とともに過ごす最後の夏、祭りに行くけれど、結局その想いを伝えることはできない」というものです。閃光☆HANABI団の中でも特に活発なイメージがあり、例の夏休みの曲にも参加していた彼女。行動は起こすけれど、最後の一歩が踏み出せないまま終わる。サビ終わりのシャウトに思いを込めて歌ってくれたら嬉しいなあ。そんな希望を込めての選曲です。

 

百瀬莉緒

WHY? 百瀬莉緒 | Fantasia | matsurihi.me

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誘惑するセクシーアイドルの百瀬莉緒さんにはPIZZICATO FIVEの「陽の当たる大通り」がベストマッチしていると思います。

ベストマッチというと若干失礼かもしれません。この曲は男女のおしゃれな関係性が妖艶に歌われ続けるのですが、出だしは「死ぬ前にたった一度だけでいい」。つまり、そこから羅列される男女の営みはすべて想像。縁遠い人間が深い悲しみを影に潜ませながら歌う曲なのです。あくまで現状は空回りしてばかりながらも、誰よりも恋に執着する莉緒さん。言葉選びを間違えると莉緒Pに本気で怒られそうなのですが、私の中ではこの曲が"解釈一致"なんです。

 

永吉昴

永吉 昴| アイドルマスター ミリオンライブ! シアターデイズ(ミリシタ)| バンダイナムコエンターテインメント公式サイト

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野球大好きな男勝りのアイドル・永吉昴ちゃんはNO PLAN馬場俊英)の「君の中の少年」。

すばるんよりもちょっと年上の男性から見た、「かつて野球をやっていた自分」と今の自分を照らし合わせる、胸が締め付けられるような感覚になる曲です。とにかく歌詞が良い。目頭が熱くなります。

まだすばるんには早い気もしますが、野球にまつわる名曲として外せませんし、数年後により深く意味を知ることができるようになった状態で、本人がこの曲を聴き直したら……とか考えると、胸が熱くなります。

 

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というわけで、39人いるミリオンアイドルから8人をピックアップして選曲妄想をしてみました。書いていないアイドルでも考えましたが、本当に十人十色な子が揃っているので被ることもないですし、考えていて楽しいんですよね。今回はそれを記事にして残しておこうと思った次第でした。

そんなミリオンライブは、今年10月から待望のアニメがスタートします。このアニメエミリーめちゃめちゃかわいくないですか??かわいくないと思うのであれば、私があなたの分も愛でますので安心してください。

以上、雑な締めですがまたお会いしましょう。おそらく次は西日本私的遠征の4本目が出ます。

 

*1:まず賛否が生まれるほどこのブログは見られていない。

志摩関西回遊④──輝いてる僕らを映して

ふかふかのベッドで快眠を終え、朝食を戴きます。こちらも近ツーから予約したプランで無料で食べることができます。ありがたいねえ。

 

あ。八川です。

 

前日堪能した志摩スペイン村からスタートします。2dayパスつきプランでしたが、遊び尽くしていた+前日中断のショーはこの日も中止、ということで、バスの時間に合わせてそそくさとチェックアウトします。

 

こんな時間から帰る客はそんなにいないので、バスはバスでも行きの高速バス仕様のものではなく、路線バス仕様の大型バスでした。これでも十分すぎるキャパシティだとは思いますが。

 

鵜方駅に到着。これは駅前にある自分を志摩スペイン村だと思い込んでいる有料駐車場。

 

鵜方駅からは、まわりゃんせに付属している4枚目のフリー区間特急券引換券を使用し鳥羽駅に向かいます。ホテルに泊まって特急でわずかな区間を移動、なんてリッチな旅なんでしょう。

 

鳥羽駅に到着。みえ応援ポケモンとなったミジュマルが窓に装飾されています。これはオタク=キモ話なので読み飛ばしていただいて構いませんが、アニメにおけるミジュマルの声優って福圓美里さんなんですよね。ときメモ4の大倉都子とか、スト魔女宮藤芳佳とか、はがないの志熊理科とかの人です。この人たちがまさかミジュマルだったなんて(ミジュマルではない)、最初知ったときはビックリしました。やっぱ声優ってすごいなあ。

 

鳥羽駅から道なりに歩いていくと本日の目的地「鳥羽水族館」が見えてきました。飼育数は12,000頭で日本一、またジュゴンが日本で唯一見られることでも有名な水族館です。実際には1つ鵜方寄りの中之郷駅が最寄りなのですが、本数が少なく特急も停車しないため鳥羽駅からのアクセスが推奨されています。

 

こちらが日本で唯一飼育されているジュゴンだと思います。動物には詳しくないですし、9月撮影ということでもう覚えていませんが写真を撮ってあるということはたぶんそうです。

 

ペンギンの散歩ショーもやっていました。かわいい。

ペンギンと言えば、南大西洋上に浮かぶフォークランド諸島というところは、1982年に起きたフォークランド紛争*1によって現在も地雷が大量に眠っており、地雷を踏んでも作動しないペンギン天国の環境になっている、という話を思い出します。人間が立ち入れなくなったために環境が守られているという何とも興味深い話です。

 

もはや語ることもあるまい。来世はクラゲになりたいです。

 

というわけで鳥羽水族館を満喫。見とれて写真撮るの結構忘れちゃいましたが、危険な生きもの展などもやっていて見どころ満載でした。

 

14時54分発の伊勢志摩ライナー京都行で、3日間お世話になった三重県に別れを告げます。本来まわりゃんせの効力は4日間なので、もっと巡ることは十分可能です。

2022年9月に訪問してから早4ヶ月。周央サンゴの聖地巡礼として訪れた志摩スペイン村は、親会社である近鉄をも巻き込み「みなさま~(広報大使)志摩スペインゴ村へ、来て!」なるコラボイベントを開催。公式に聖地化しちゃったよ。限定メニューやスタンプラリー、鵜方駅到着前の近鉄特急に専用放送など、結構盛りだくさんのコラボ内容らしいなので皆さんも「まわりゃんせ」か「志摩スペイン村 パルケエスパーニャ・フリーきっぷ」でぜひ志摩スペイン村へどうぞ。私ももう一度行こうかなと思っております。

 

伊勢志摩ライナーは6両の編成で、京都・難波・名古屋方面の先頭車が追加で特別車両料金を必要とする「デラックス車両」となっているのですが、先頭から2両目はグループ用車両として3~4人専用の「サロン席」(左)と、2人専用の「ツイン席」(右)が用意されており、こちらは追加料金不要で乗ることができるのです。近鉄に詳しい方から事前に聞いていた情報で、帰りの電車にこれが当たったら座ろうと思っていたところでしたので運が良かったです。座り心地もベリーグッド。寝ちゃいました。

 

この伊勢志摩ライナーは京都行。しかし、本日の目的地は京都ではなく大阪難波です。大和八木駅で、互いの接続を取っている向かい側のアーバンライナーplusに乗り換えます。乗り換えが考慮されているとはいえ、ダイヤ上では0~1分しか時間がないのでちょっと焦りました。無論なんてことはありませんが。

なお、このように途中で乗り換えを必要としていますが、まわりゃんせの「かえり」特急引換券1枚で全区間発券することができます。これはまわりゃんせを利用するにあたって覚えておいて損はない、重要なポイントと思います。

 

アーバンライナーplusの車内。1988年にデビューし、2003年にリニューアル。椅子はめっちゃ柔らかいかめっちゃ硬いかのどっちかだったと思います(極端だったのは覚えています)。

 

大和八木から30分ほどで終点の大阪難波駅に到着。ここから先は阪神なんば線になっていますが、特急はそのまま折り返さず、1駅だけ阪神に乗り入れ隣の桜川駅まで引き上げて戻ってきます。このホームは阪神なんば線に直通する後続の電車がすぐにやってくるため、かなり忙しいダイヤになっています。

 

名古屋に抜けなかったことからお察しの方も多いでしょうが、まだこの度は終わりません。そのまま難波構内を歩き、南海電車に乗り換えます。8月に初めて来たばかりでしたが、早くも2回目の訪問となりました。

 

日が暮れた頃に和歌山市駅に到着。8月には通過点のひとつでしたが、ほとんどの電車はこの駅を起終点としており、南海本線和歌山港線を直通する列車は非常に少ないです。本線の紀ノ川駅から分岐する加太線(かだせん)のほか、JR紀勢本線も乗り入れる南海のターミナル駅です。

 

そう、NANKAIの文字を誇らしげに掲げるあの駅舎を持つ和歌山市駅には、歴史的な経緯からJR紀勢本線が乗り入れているのです。

1面1線、表玄関から離れたこじんまりとした空間への誘導線。いや、誘導線とは名ばかりで、写真の左側では「大阪までは南海をご利用しなさい!」と言わんばかりの主張をしています。

 

紀勢本線はその名の通り、三重県亀山駅から和歌山県の当駅までを弧を描くように結ぶ、海沿いを走る路線です。途中、和歌山県新宮駅を境に東側がJR東海、西側がJR西日本の管轄になっており、名古屋から「南紀」、大阪から「くろしお」が乗り入れるなど特急街道としても知られています。

 

しかし、その「くろしお」は2つ隣の和歌山駅から新宮方面に直通しており、JR西日本区間につけられた愛称「きのくに線」も和歌山~新宮駅間とこの区間だけ除外されています。運行系統も完全に分断され、さながら支線扱い。案内放送で紀勢本線と呼ばれることはまずなく、地元からは唯一の中間駅・紀和の名から紀和線とも呼ばれるようです。

 

ということで和歌山駅に到着。紀勢本線のほか阪和線和歌山線和歌山電鐵が乗り入れる駅で、和歌山市駅の2倍近くの利用客数を誇っており、阪和輸送ではJRに分があるようです。関西は私鉄が蔓延ってJRとしのぎを削っているイメージがあったので、ここまで如実に差が出ているのはちょっと意外ですね。

 

この日は和歌山で1泊。駅近辺にあった月見バーガーを夜ごはんにしました。このブログが世に出る頃にはもう花粉飛んでますけどね。ちなみに私はスギ花粉持ちです。辛いよお。

 

志摩スペイン村を後にしたのに、和歌山に寄り道した我々。その目的は、2022年4月から9月にかけてテレビアニメが放送された漫画「サマータイムレンダ」の聖地巡礼。その舞台は、南海和歌山市駅から加太線に乗り、加太港からフェリーで結ばれている離島・友ヶ島。明日はいよいよ、2人でサマータイムレンダの世界へ乗り込みます!

 

欠航

 

次回 いま思えば笑えるほどだったよね

正直この日のことを覚えてないので書ける気がしません

 

*1:フォークランド諸島の領有権を巡ってイギリスとアルゼンチン間で勃発した紛争。イギリスが勝利するもアルゼンチンはその後も領有権を主張。

東北弾丸遠征(前編)──片道2,000円で秋田まで全日空に乗るの巻

2022年11月、全日空は創立70周年を記念し、11月29日から12月1日に対象期間(2023年1月5日~2月28日)の国内線航空券を7,000円で販売するという破格の安売りを実施。これには趣味者一同大騒ぎの中、私は疑念に駆られていました。

7,000円って安いの?

 

知る人ぞ知る私の伝説的発言「博多って北九州?福岡?」*1からもお察しいただけるよう、本州のごく限られた地域の鉄道にしか詳しくない私は人生で一度も飛行機に乗ったことがなく、このANA7,000円セールがどれだけ安いものなのか見当がつきませんでした。しかし知り合いに聞いても、返ってくるのは「どう考えてもぶっ壊れ」という答えのみ。

確かに、格安航空に比べて全日空日本航空が割高なことは知っているのですが、それでも飛行機に乗ったことがない身としては「もう少し安く買えないものか?」と思案していました。この機会を逃すと、将来飛行機に乗ることになった際「でも、飛行機に乗ったことがないという実績が崩れてしまう……」という謎の逆張り精神が働いてしまいそうになるのが嫌だったのです。いっそ格安航空も漁ってみるか、と考えていたその時。

 

大館能代空港キャッシュバックキャンペーン 【楽天トラベル】

あるやん。

 

乗るやん。

 

というわけで、本来の用途としては初めて羽田空港にやって来ました*2。羽田から大館能代空港までを7,000円、空港使用料370円、しかし大館能代空港キャッシュバックキャンペーンで片道2,370円という破格のフライトです。初めての空港利用なので、備忘録も兼ねて簡単な飛行機の乗り方を記録しておこうと思います。

羽田空港は第1・第2・第3ターミナルの3ターミナルがあります。第3ターミナルは国際線の便が発着し、第1・第2ターミナルは国内線が発着します*3。第1・第2ターミナルの違いはずばり、発着する航空会社にあります。(国内線の)JAL日本航空)は第1ターミナルANA全日空)は第2ターミナルといった具合に、会社ごとに発着場所が定められているのです。

 

駅の案内に従い、予約した飛行機が出発する第2ターミナルを目指します。案内は色分けされており、京急蒲田駅側(これまでの進行方向と逆、最後尾)が赤色の第1ターミナル羽田空港駅側(これまでの進行方向、先頭側)*4青色の第2ターミナルです。この充実した案内で逆のターミナルに行ってしまうようでは、飛行機に乗るのは諦めましょう。

 

そのままエスカレーターを上り、正面の改札を出ます。曲がる必要はありませんが、途中右手にローソンがあるので買い物をし足りない方はそちらでも出来ます。

 

真正面にある、「国内線出発 2F」と書かれた上りしかないエスカレーターを上ります。大きな吹抜になっており、これから空を飛ぶんだなという高揚感に包まれます。

なおこのエスカレーターの右奥には「国内線到着 2F」と書かれた上下エスカレーターがありますが、これは出迎えのために空港にやって来る人のために到着ロビーへ誘導する動線ですので、お間違えなきよう。

 

エスカレーターを上った先にある大型発車標で、保安検査場と搭乗口を調べます。私が今回乗るのは08:55発の大館能代行きなので、保安検査場は「B」、搭乗口は「61」ですね。

しかしこの発車標も2023年2月に撤去されてしまい、小型の発車標かお手持ちの電子機器で確認する方式になるようなので、じゅうぶんお気をつけください。不明なことは現地の係員に聞くのが良いでしょう。

 

今回は2023年3月をもって終了する「SKiPサービス」を利用し、事前に2次元バーコードを発行しました。このバーコードを各所にかざすことでチェックイン代わり、搭乗券代わりになります*5。4月以降は「オンラインチェックイン」というサービスに変更するようですのでご注意を。

 

旅行慣れしている方や荷物の少ない方はそのまま保安検査場に行けばよいのですが、今回私はすぐ取り出したいものを入れる用のショルダーバッグと、着替えや非常食を詰め込んだリュックサックの2つ手荷物を持ってきています。機内に持ち込める手荷物は、定められた大きさや重さを満たした1点のみなので、重要度の低いリュックサックを預けます。乗ったことがない人でも想像がつくと思いますが、到着した後ベルトコンベアのように荷物が流れてくるアレとして流れてきます。

チェックインが済んでいない方はこの手荷物を預けるのにも搭乗券や2次元コードが必要になるため、迅速に済ませましょう。飛行機に手荷物を搭載するのにももちろん時間がかかりますから、手荷物預かりは出発30分前までとなっています。

 

手荷物預かりを済ませると、いよいよ保安検査場です。金属探知機を通るアレです。発車標で確認した通り「B」の検査場に並びます。ここは出発20分前に通過する必要があります。上着や手荷物をすべて預け、体に何も身に着けない状態で金属探知ゲートを通過しなければなりません。何も身に着けないからって全裸にはならないでくださいね。

スマートフォンや家の鍵、モバイルバッテリー*6などは身に着けず、この段階で手荷物の中や上着のポケットなどに入れておくとスマートです。

ゲートを通過した後は、預けた上着・手荷物が検査を抜けるまで待ちます。スマホや鍵程度の金属には反応しませんが、私はショルダーバッグに入れていた一脚が反応し手動検査送りにされ恥ずかしい思いをしました。長さはギリギリ持ち込み可でしたので九死に一生を得ましたが、盲点でしたね。

 

保安検査場を通過したあとは搭乗口に向かいます。運良く、検査場を抜けてすぐの搭乗口が61番だったためほとんど移動せずに済みましたが、場所によっては動く歩道が整備されているほど遠い場所もあるようですね。周辺には出発10分前に集合する必要がありますから、早めの行動を心がけたいです。

 

搭乗口周辺で待機しますが、整備遅延のため搭乗予定時刻は未:定に。飛行機ではあるあるらしいですね。

 

いざ飛行機へ搭乗。搭乗口と飛行機が直結していたのは驚きでした。一国の大統領が階段を使って降りてくるような感じで滑走路を歩くと思ってましたが、よくよく考えたらめちゃめちゃ危ないしバリアフリーの欠片もないですね。

 

というわけで案内された順番で飛行機に乗り、指定しておいた座席に着席。これだけで機種の分かるスゴ人種はいらっしゃるんでしょうか。あとは出発を待つだけです。

 

と、ここで旅の高揚感からふと我に返ります。なぜ私がこれまで頑なに飛行機に乗ってこなかったか。

 

高い高い高い高い高い高い高い高い高い高い高い高い高い高い高い高い高い高い

 

怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い

 

死ぬ死ぬ死ぬ死ぬ死ぬ死ぬ死ぬ死ぬ死ぬ死ぬ死ぬ死ぬ死ぬ死ぬ死ぬ死ぬ死ぬ死ぬ死ぬ死ぬ死ぬ死ぬ死ぬ死ぬ死ぬ死ぬ死ぬ死ぬ死ぬ死ぬ死ぬ死ぬ死ぬ死ぬ死ぬ死ぬ死ぬ死ぬ死ぬ死ぬ死ぬ死ぬ

 

えっ、雲より上行くの????????

 

900km/hで高度7000m走ってんの????

 

もう着くの????

 

めっちゃ速いけど良いの???????

 

死ぬ死ぬ死ぬ死ぬ死ぬ死ぬ死ぬ死ぬ死ぬ死ぬ死ぬ死ぬ死ぬ死ぬ死ぬ死ぬ死ぬ死ぬ死ぬ死ぬ死ぬ死ぬ死ぬ死ぬ

 

死ぬ死ぬ死ぬ死ぬ…………

 

死んでない……

 

10時10分。羽田からわずか1時間ちょっとで大館能代空港に到着しました。

早すぎませんか???1度でも飛行機に乗れば恐怖が薄れると思ったのですが、新幹線でさえ数時間かかる距離をこんなにも爆速で結んでしまうという事実を身をもって体感し、かえって恐怖心は増大してしまいました。何あの乗り物、怖すぎるんだけど。

 

ベルトコンベア付近で手荷物が流れてくるのを待ちます。大館能代空港は羽田行の飛行機が1日3往復しか発着していないトンデモ空港なので、どのベルトコンベアで待てばいいの?とか、そんな心配はありませんでした。羽田で預けた段階で手荷物の整理番号が貰えるので、きちんと保管していれば取り違えもなく受け取ることができます。

 

地方空港ってどこも空港からの公共交通機関が貧弱な印象が強いのですが、この大館能代空港もご多分に漏れず「飛行機に合わせた時刻に3往復運行するリムジンバス」しかありません。大館駅方面にしか向かわないので、能代駅方面へ直接向かうこともできません。どうなってんの。

 

なお、日付は1月27日(金)。数日前より、北日本だけでなく全国を10年に1度の強烈な寒波が襲っており、瀬戸内海にほど近い神戸付近でもドカ雪となるなど寒気に包まれていました。つまり、東北地方はそれよりも更に寒いということ。この日は最高気温が-1℃、ずっと氷点下という過酷な環境の中生き延びねばなりません。うっかり1年の最も寒い時期かつ10年に1度の寒波の襲来中に来てしまいました。予約した時に興奮で極寒であることを忘れていたのです。

 

リムジンバスを鷹ノ巣駅(たかのすえき)停留所で乗り捨て、秋田内陸縦貫鉄道鷹巣駅にやって来ました。JR奥羽本線鷹ノ巣駅とは駅舎が別で設けられていますが、かつて国鉄阿仁合線(あにあいせん)だった名残でホームも線路も繋がっています。

 

ホームには味わい深い古~い看板がありました。当駅から角館まで1本で繋がったのが1989年であるため、その頃に設置されたものと思われます。

 

こちらは秋田内陸線の普通運用に充当されるAN-8800形。9両在籍しており、お座敷化改造を受けた1両を含め9両全てが異なる塗装で運行されており、このAN-8803はオレンジ色となっています*7。個人的には楽しい要素だと思いますが、ランダム性が高すぎて特定の車両を狙うのは難しいですね。

 

鷹巣駅窓口で購入したのは「秋田内陸ワンデーパス」。2,500円で全線乗り放題のお得な乗車券です。ほか、3,500円で2日間乗り放題の「ツーデーパス」や、誕生日の前後3日間のみ1,500円で購入できる「バースデーパス」、片道だけ有効で1回だけ途中下車可能な1,800円の「片道寄り道きっぷ」など、豊富な企画乗車券が販売されています。ただ片道を乗り通すだけであれば、単純に鷹巣から角館までのきっぷが1,700円と最安値となっており、考えられたお値段となっております。

 

かつて国鉄だった名残で、合川・米内沢・阿仁前田温泉・阿仁合にはホーローの駅名標がそのまま残されているのを確認しました。だんだんと文字が掠れてきていますが、見えなくなるその日まで役目を全うしてほしいですね。

 

中でも、2021年3月に駅名を改称した阿仁前田温泉駅では、阿仁前田時代のホーローが1枚そのまま残されていました。鷹巣側、ホームからしっかし撮影するのは難しいほど遠くの電柱にあります。当時の担当者はなぜここに貼り付けたのでしょうか??

 

終点の阿仁合駅に到着。阿仁合線開業時の終着駅で、秋田内陸線の車庫が併設されており現在でも運行上の拠点になっています。

 

駅舎は1989年に改築されたものを2018年にリニューアルしたもので、「しあわせのえき」という愛称がついています。

 

駅近接の資料館には、歴代ヘッドマークや線内の歴史を当時の新聞記事とともに紹介するような伝承が大切に保管されていました。

 

大迫力の駅舎モニュメント。ホーローもしっかり再現されています。

 

折り返し、12時17分発の急行もりよし2号鷹巣行で鷹巣まで戻ります。本来は50km以内の急行料金160円が別途で必要な列車ですが、ワンデーパスを買えば急行料金は不要なため、ちょっぴりおトクな気分になりますね。

 

13時07分、爆睡していたので一瞬で鷹巣に到着。往路の普通とほとんど所要時間は変わりません。

 

次の列車まで時間があるため、鷹巣町を散策。北秋田市出身の中島聡監督率いるオリックスが2022年に日本一となったことを祝う垂れ幕があちこちに掲出されていました。地元に愛されてますね。野球ファンの方にとってはオリックス日本ハムのイメージが強い方も多いでしょうが、実は2003年に1年だけ横浜ベイスターズでプレーしていたこともあります。数年後のキャッチャーのゴタゴタを考えると、この時に手放さなければ……なんて考えてしまいますね。

 

全日本こんなところに国際興業バスシリーズ、秋北バス編。かつて国際興業グループだった名残で、多くの国際興業塗装バスが走行しています。私と同じように埼玉からやって来た車だと思うと、老後を田舎でのんびりと暮らすようでちょっと感慨深いですね*8(?)

 

側面は信じられないくらい剥げてました。老いすぎでは。

 

駅に戻ると、ちょうど駅前広場の除雪作業中でした。勝手に消えてくれる量ではない雪を、行政がしっかりと除雪する。駅前だけでやっているのかもしれませんが、それでも素晴らしいですね。

 

再び秋田内陸線へ。14時38分発の急行もりよし3号に乗車し、一気に角館まで駆け抜けます。車内には観光案内を担当するアテンダントさんが添乗し、車内販売も行っていました。車両こそ普通のAN-8800形ではありますが、かなり力が入ってますね。

 

秋田内陸線は、元々国鉄鷹角線(ようかくせん)として開通予定だった阿仁合線・角館線を未開通のまま継承した第三セクター路線で、1989年に新線区間29.0kmの開業をもってようやく全通したという特殊な経緯を持っています。この急行もりよし号は全通当時から走っている歴史ある列車なのです。アテンダントさんは臨機応変にアナウンスしてくださっており、「連日の寒波により、川に氷が張っている貴重な光景をご覧いただけます」などといった特殊な案内も。とにかく寒かったですが、良いものが見れました。

 

16時35分、もりよし号は田沢湖線秋田新幹線の接続駅である角館に到着。この駅名標仙北市の誕生が2005年なので設置から20年経っていないはずなのですが、かなり劣化が進んでしまっていますね。

 

ここで大曲方面に抜けるのですが、田沢湖線はこまち街道。こまちが停車するだけマシなのですが、これに課金する意欲もないため角館駅で2時間ぼーっとしながら普通列車を待ちます。読書とゲームをしていると思いのほかあっという間でしたね。

 

18時45分発、普通大曲行の701系5000番台に乗車します。尾灯が上部に設置され、ラインカラー部分がまっさらになっているのが、701系標準軌仕様の大きな特徴です。新幹線の在来線とは線路の幅が違うため、専用の車両を用意するにあたり外観で判別できるようにしたかったのかもしれません。

 

大曲駅に到着。ついでに当駅で使用されている東海道型放送を録りたかったため、新幹線ホームに。100km以内の片道きっぷだったので、有人改札から入りました*9。この駅はかつて「まもなく、x番線に、○○方面行、こまち号が、到着します」という文面で列車の接近を案内していましたが、現在のE6系が登場当初「スーパーこまち」を名乗っていたため「まもなく、x番線に、○○方面行、秋田新幹線、到着します」とパーツ差し替えで対応。以後そのまま、もう両手で数えられる程度になってしまった数少ない東海道型使用駅として残っているのです。

 

奥羽本線に乗り換え、本日の最終目的地・横手を目指します。新幹線ホームを出て3分での乗り換え、ホームはとても走れる状況ではないのでちょっと危なかったです。

 

味のある駅舎をもつ飯詰駅後三年の役の古戦場である後三年駅を経由し列車は横手駅に到着。ツーマン列車のみ扱う当駅限定のご当地メロディ「青い山脈」を収録したのですが、音量が大きすぎて帰って聞いてみたら音割れてました。悲しい。

 

横手周辺はしっかりと栄えており、マクドナルド・スターバックス・丸亀製麵などのチェーン店が揃っています。以前より190円で購入し温めていたサイドメニュー引換券でポテトLを交換し、チーズバーガー・チキンクリスプで夜ごはん。これで占めて510円というのは値上がりの影響をもろに感じてしまいますが。

 

こちらも駅前の好立地にある快活CLUBで1泊。暖まりながら翌日の始発を待ちます。明日の目的地は仙台です。

 

次回 片道-4,500円で埼玉に帰るの巻

ある事件が発生。旅程変更に旅程変更を重ねました。

 

 

*1:私はこの発言を伝説だとも何とも思ってないし今でも一瞬どっちか分からなくなります。

*2:ポケモンスタンプラリーのために東京モノレールで来たことはありました。

*3:第2ターミナルは国際線の発着も一部あり。ここがややこしい。

*4:横浜方面から来る場合、京急蒲田で方向転換します。横浜方面から予め先頭・最後尾に張っておくと結果的に逆側に誘導されるので注意。

*5:今回私は支払いをコンビニ(ファミリーマート)で済ませたため、搭乗券代わりの受領証を持ち歩いていました。ここに記載されている確認番号・予約番号を公式サイトで入力することにより、バーコードを発行しました。

*6:モバイルバッテリーは別途持ち込める条件が決まっているのでご確認ください。

*7:8801は黄、8802は紫、8804は内陸線標準、8805は紺、8806は赤、8807は青、8808は秋田マタギ号としての専用塗装、8809は黄緑。

*8:練馬とかは誤差。

*9:退場時に150円お支払い。

西日本私的遠征③──思い出の中に冬桜

若桜鉄道1日乗車券を購入し、隼駅はやぶさえき)に降り立ちました。新幹線は来ませんが、自動二輪の集まる駅です。あと八川も来ます。八川です。

 

郡家駅までたどり着いた私はそのまま若桜鉄道線に乗り換え、3駅目の隼駅で下車。2008年、「月刊ミスターバイク」において「8月8日、スズキのGSX1300Rハヤブサのオーナー(乗っている人)で隼駅に集まろう」と呼びかけがなされ、当日7人が集まったことに始まる、毎年1000台以上のハヤブサが集まる8・8隼まつりが開催される地域です。八東町やスズキの協賛を受けていますが、興味深いのは若桜鉄道もこの町おこしに協力していること。結果的に駅の活性化につながれば良いのですが、そもそも自動車というのは鉄道の敵といっていいものです。

 

若桜鉄道は2010年、かつて駅事務室だった部分に関連商品を販売する売店を開設。2010年に北陸鉄道が譲渡先を募集していたED301を、2011年にムーンライト高知・松山で使用されていた絨毯仕様のオロ12 6をそれぞれ購入。「ライダーハウス」とよばれる自動二輪乗りの簡易宿泊施設に改造し、ハヤブサ民を受け入れたのです。

 

ちなみに先ほどまで乗車していた2両編成の片方は、スズキ協力の下2016年よりハヤブサの装飾を施しています。お披露目時には実際にハヤブサと並走したこともあるとのこと。現在の塗装は3代目です。「宝くじ号」の表記はこの車両のみが宝くじの助成金を受けて製造された車両であるゆえのもので、塗装とは関係ありません。

 

駅舎は1930年開業当時からの木造のものを継続して使用。左側の駅事務室部分が売店でしたが、冬季休業中だったのか早すぎたのか開いていませんでした。

 

駅名標。極力国鉄のものに寄せていますが、八頭町の発足が2005年なので少なくともそれ以後に設置されているものであると分かります。

 

第1種駅名標には覆いかぶさるように正月のしめ縄飾りが。粋な計らいですが、駅名標を撮りたい身としては正直邪魔です。確かに最も飾るにふさわしい場所ではあるのですが。

 

この「STATION」表記がない駅名標因美線姫新線などの駅に設置されているものと酷似しており、若桜鉄道に移管される前の国鉄時代に作られた可能性が高いと勝手に思っています。

次の列車まで時間があるので、ひとつ郡家寄りの因幡船岡駅まで徒歩で向かいます。若桜までの距離が修正されていますが、これは若桜が近づくか遠ざかるかしたのでしょうか。

道中に24時間営業している便利な店があれば小腹の足しになるので、あったら立ち寄りたいですね。

 

ありましたが近寄れませんでした。

 

兄ちゃ~ん?ちょっと亜美がほいほいのほい、って感じで髪切ってあげるから!早く早く!

 

30分ほどかけて因幡船岡駅(いなばふなおかえき)に到着。こちらも開業時からの駅舎と、隼駅と同一の形式である駅名標を掲げています。こちらの駅事務室部分は縫製工場の事業所を兼ねています。

 

因幡牛を出荷するために船岡家畜牧場が併設され、国鉄若桜線から旅立つ際にこの牛秤を用いていたそうです。貴重な遺産ですが、駅にそのまま置いてあると迫力がすごいですね。

 

8時53分、さきほどの隼塗装を切り離して折り返してきた、鳥取行の「昭和号」が入線してきました。名称は昭和5年開業であることに因んでおり、車両の更新工事と合わせて観光列車のような外観・内装に変更されました。車両保有が2016年に八頭・若桜の両町に無償譲渡されたからこそできたことかもしれません。

 

8時55分、八頭高校前駅(やずこうこうまええき)に到着。郡家から1キロ足らずの地点に新設された若桜鉄道転換後の駅で、郡家からの運賃はたったの100円。因美線で通学する学生に少しでも若桜鉄道に乗ってもらおうという狙いが見えます。なお、郡家駅の入場券は150円であるため、列車に乗るほうが安い逆転現象が起きています。

 

そういった駅建設の経緯もあって、当駅から郡家駅まではおよそ10分ちょっと。汽車を待つよりも歩いてしまったほうが早いので、とりあえず駅を去ります。

 

Brother~? Ami's going to cut your hair like hoi hoi hoi! Come over here, quick!

 

9時08分、郡家駅(こおげえき)に到着。先ほど乗った鳥取行の昭和号は当駅で因美線鳥取行に接続し、自身は8時57分着・9時21分発と30分近く停車するため、八頭高校前駅で降りて郡家駅まで歩いても余裕で乗り継ぐことができるわけです。これを活かし、若桜鉄道が乗り入れる因美線区間の東郡家・津ノ井を巡ります。

 

というわけで、日本交通の70系統・鳥取駅行に乗車していこうと思います!

 

9時21分、堀越停留所に到着。左奥に背景と同化している停留所があり、なぜか進行方向側に待合所が設けられています。高齢の方が乗車するとなると停車してから発車までにかなり時間を食われそうです。

 

待合所を越えて線路沿いに歩くと、いつの間にか東郡家駅が始まっています。

 

こちらが東郡家駅の駅舎……というより、待合室。若桜鉄道の駅に比べるとなんかこう、物足りなさを感じてしまいますね。

 

そうこうしていると、郡家駅を発車した昭和号が東郡家駅に入線。八頭高校前で降ろした客が東郡家から乗ってくるというのは彼にとっても恐怖だったでしょう。

 

若桜鉄道の1日きっぷでは因美線区間に乗車できないため、整理券を取って普通片道運賃を支払います。JR因美線区間ですが「若桜鉄道」として発券されるんですね。

 

津ノ井駅(つのいえき)に到着。1面2線の交換駅ですが、交換のない場合は2番のりばを使用します。これは構内踏切で駅舎に連絡しており、1番のりばに停車する場合は通行できなくなるためです。

 

駅舎は年季が入っていそうですが、1919年の開業当時からあるとは考えにくい見た目です。築50年以上は経ってそうな気がしますが、詳細は不明。

 

駅舎を撮影していると、先ほど堀越で乗り捨てた日本交通の70系統が通り過ぎていきました。東郡家に対応する停留所は「堀越」でしたが、津ノ井は「津ノ井駅前」となっています。

 

東郡家が冷遇されているというよりも、ついこの前まで簡易委託駅であった津ノ井が良い扱いを受けている、といったほうが正しそうです。しかし掲出期間を半年以上過ぎても残ってるのはいかがなものでしょうか。

 

ここで小銭が尽きました。車内の両替機に突っ込んでも良かったのですが、飲み物をもう1本確保したかったためちょっと足を延ばしてお札を崩します。旅先でこういうお店に行くと、なんとなく現地の人間になった心地がして好きなんですよね。

 

津ノ井からは鳥取を折り返してきた昭和号に再び乗車し、若桜鉄道線に戻ります。行程上致し方ないのですが昭和号にしか遭遇しないので、そろそろ別の列車に乗りたくなってきました。

若桜駅のひとつ手前である丹比駅まで一気に乗車。日本で唯一「ぴ」で終わる駅です。2人で駅名しりとりをしていると強力なカードに見えますが、相手に「比布(ぴっぷ)」と返されると、「ぷ」で始まる駅は存在しないためこちらが自爆する羽目になるので気をつけましょう。

こちらも開業当時からの駅舎で、簡易委託先として美容室が入店しています。定休日がありますが、この日に窓口業務は行うのでしょうか。

 

線路の向かい側には工場が立地しています。騒音はそれほどでもありませんでしたが、何らかの番組を流しながら作業しているようでその音声がやたらと響いていました。かつては写真中央にある柱に琺瑯駅名標が設置されていましたが、撤去されています。

 

若桜で折り返してきた、またもや昭和号でひとつ郡家寄りの徳丸駅(とくまるえき)に到着。こちらも若桜鉄道線開業後に設置された新駅で、八頭高校前駅よりも窮屈な印象、というよりもはるかに窮屈です。線路脇の土地しか買い取ることができなかったのでしょうか。

 

入口はこのような形で、駅舎はおろか徳丸駅があることを示す看板すらひとつもありません。若桜鉄道で駅舎がなく、簡易委託も行っていない完全な無人駅は徳丸駅のみとなっています。

 

田舎の風景にポツン、と徳丸駅。いわゆる「水戸岡デザイン」によって2020年に木造風に様変わりしており、以前のもっとごつごつした見た目の屋根でも見てみたいなあと思いました。訪問がちょっと遅かったですね。

 

次の列車まで時間がありますので、本日3度目の駅間徒歩を敢行。

道中に旧八東小学校がありました。2016年度をもって安部小学校・丹比小学校と統合し新・八東小となり、この校舎は放棄されてしまったようです。名称こそ引き継がれていますが、どの在校生も当時の校舎とお別れしなければならなかったと思うと寂しいですね。

 

そんな小学校の名称と同じ八東駅(はっとうえき)に到着。こちらの簡易委託は地域住民が行っており、かつては山岡電機が委託していましたが撤退。その後は喫茶店が入居したものの2年で閉店してしまい、現在に至ります。喫茶店時代はかつての駅事務室部分に入れたと思うと、これも早く訪問したかったなあと考えてしまいます。

 

八東駅は2020年に行き違い設備を設置。これにより1日あたりの本数が1.5倍となり、若桜鉄道の輸送力増強に貢献しています。

若桜鉄道は黒字経営で有名ですが、これは車両を町保有にすることで国に固定資産税を支払うのではなく町に使用料を支払うことで出費を抑えるという方法を取っているため。決して経営がうまくいっているわけではないので、本数を増やすことで日常的な鉄道利用を定着させようという狙いがあったようです。

駅構内には2020年に閉園した加悦SL広場から搬入された排雪車のTMC100BS形と、2011年に宇都宮貨物ターミナル駅からやってきた有蓋緩急車ワフ35597が保存されています。右手にあるのがかつて使われていた貨物用の停車場で、これをなるべく当時の状態に復元させようという取り組みのようです。排雪車のほうは「え、そこに絵描いちゃうんだ」って思いますけど……

 

ちょうど列車交換を行う時間帯でした。鳥取方面へは若桜で切り離されていた隼装飾車が、若桜方面へは三度折り返してきた昭和号が入線してきました。1日あたり7回行き違いを実施するようですが、ほとんどが夜の暗い時間帯のようです。

 

今回は隼のほうに乗車。昭和号などとは違い、登場時とほぼ変わない内装のまま走っています。車内放送は録音しませんでしたが、もしかしなくてもこんなゴツゴツに外付けで設置してるものから流してるってことですよね?

 

八東駅のひとつお隣、安部駅(あべえき)です。「安井宿」と「日下部」の2つの集落で駅名や駅の設置場所で大いに揉めたため、駅の開業は他の駅よりも2年遅れています。出入口が2つあるのもこのためであるという説があります。

 

安部駅は「男はつらいよ」の第44作「寅次郎の告白」の舞台として使用されました。鳥取県を旅立つ場面で使用されたようです。出入り口の構造ゆえに机や椅子がでかでかと設置できず、かえって殺風景になっています。

 

駅前にはなぜか停留所代わりにさせられている自動販売機がありました。1日3便、すべて土休日運休なので、副業でしょうね。

 

安部駅からは若桜に乗って最後の訪問駅・若桜を目指します。偶然ではありますが、若桜に向かうにあたって初めて若桜号に当たるのは運命的なものを感じますね*1

 

車内は終点まで貸切だったので、内装を撮影。おおよそ追加料金不要の列車とは思えませんが、もちろん必要なのは普通運賃のみです。3両いるWT3000形はすべてこのように観光列車化されており、今回の旅程では遭遇しませんでしたが、他に赤色の「八頭号」が走っています。1987年の登場同時には4両体制でWT2500形として在籍していましたが、2002年に1両ずつ主要機器を交換してWT3000形に改造。その際に不足する車両分を補うため現在の隼装飾車にあたるWT3300形を宝くじの助成金を受け投入し、3両の改造工事を終えると5本体制となりましたが、5両も維持するお金がないため1両は廃車されてしまいました。

 

若桜町に突入し、列車は終点の若桜駅に到着。開業時からの駅舎内には若桜鉄道本社のほか「わかさカフェ retro」が入居しており、路線名通りの活況を呈しています。

 

丹比駅では撤去されてしまっていた琺瑯駅名標。2枚も残存しています。本社が入っているので、その気になればいつでも撤去できてしまいそうなのが怖いですね。末永く残ってほしいものです。

 

駅構内にはかつての蒸気機関車時代を偲ばせる転車台と保存車が。C12 167は車籍こそありませんが構内を年数回展示運転するようです。奥はDD16 7。2015年に両機で客車を挟み「社会実験」と称して試運転を行いましたが、以降本線上に出てきたことはないようです。

 

なお、若桜駅を含む因幡船岡・隼・安部・八東・丹比の6駅と転車台などの施設は国の登録有形文化財であり、今後やむを得ない事情がない限り改築・解体される可能性は限りなく低いと言えます。とはいえ廃線になってしまっては元も子もありませんので、乗って訪れて若桜鉄道を守りましょう!1日乗車券は760円、単純に往復するだけでも120円おトクのトンデモきっぷです。

 

あとは折り返しの若桜号で鳥取まで戻ります。放送は正常でしたが、運賃表が鳥取若桜行になっています。連動しているのかと思っていましたが別個で動いているんですね*2

 

郡家で因美線に乗り換えます。やって来たのは智頭急行の上郡から通しで鳥取まで直通してくる智頭急行の車両であるHOT3500形です。直通があるのは知っていましたが、まさか来るとは思っていなかったのでびっくりです。

 

なお、ちょうど八頭高校の下校時刻に当たってしまったため車内は大混雑でした。せっかくならHOT3500形にも座ってみたかったですが、因美線の明るい未来がちょっとだけ見られた気がしたのでヨシとしましょう。

 

鳥取から鳥取大学前までの山陰本線では、昨日今日と乗ったキハ47形ではなくキハ126系の石見神楽装飾車に乗車。キハ126系は3月に出雲市から宍道に乗って以来、2回目の乗車です。何らかの運用でしっかり乗り通してみたいですね。

 

鳥取大学前に着いてから、鳥取駅で購入した元祖カニめしの駅弁を家で食します。実は人生で初めての蟹。ど身内に蟹アレルギーの人間がいたため食べてこなかったので、どんな味がするのか正直この旅で一番楽しみにしていました。さすがは臨時列車まで走らせる冬の味覚、めちゃくちゃ美味しいですね。

 

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この日は若桜鉄道の駅巡りだけで行動終了。夜は同期おすすめの牛骨ラーメンを食べました。「牛骨ラーメン」という存在自体初めて知ったのでこちらもワクワク。牛骨と聞いて想像したままの味ですが、つまり美味しかったです。近くにあるかな、また食べたいな。てかレンゲどこに置いてるねん。

 

次回 貨物さんの貨物列車~姫新編~

乞食しかしとらんやん

 

 

*1:突然本線上に現れたように見えるのは、昭和号に津ノ井から丹比まで乗車した際に、若桜鳥取行として郡家ですれ違っていたため。

*2:丹比で運転士さんに報告しました。