東北地方倹約旅③──常磐線を走り抜けて

がんばろう!ブログ執筆。久しぶりにパソコンと向き合い、キーボードをカタカタ打ち込んでいます。八川です。

前回は松島駅から高城町駅までを徒歩で乗り換え、小牛田から直接向かうことができない石巻で宿泊。そんなこんなで2日分の北海道・東日本パスを使い切り、本日は18きっぷ1回分で帰宅するだけ、という薄味完結編となっております。正直、この記事が面白くなる自信がありませんが、どうぞお付き合いいただければと思います。

 

本日の夜明けは早く(当社比)、6時20分ごろに快活CLUB石巻中里店を出発。入ってみての衝撃だったのが、このお店、鍵付き個室が数室しかありませんでした。近くに他のネットカフェがないため、石巻でお安く、かつプライベートな空間で宿泊したい場合はWeb予約必須です。線路を挟んで駅舎の向かい側にあるため若干時間もかかりますが、泊まれる場所があるだけ及第点です。

 

石巻駅に到着。さっそく本日のメインディッシュである「1番線から発車する仙石線」が停車しています。

石巻駅の1番線は、高城町駅から東北本線を経由して仙台駅に至る仙石東北ラインが使用し、仙石線は2番線の使用が主になっていますが、早朝の2本*1についてはまだ仙台発の仙石東北ラインが折り返してこないため*2、1番線を使用します。1本目は前日の夜から1番線に留置されており、この電車は2本目。

石巻駅には発車放送が設定されており、発車する前に自動放送と発車メロディが流れます。この自動放送で「1番線から、仙石線……」と流れるのがこの2本だけ、ということで収録しにきました。それだけの理由です。それだけのために、石巻に宿をとったのです。そこはコンプリートしようとするくせして、2本あるなら2本目だけでいいだろうという意識の低さも見せています。収録失敗したらどうするの*3

 

仙石線 普通 あおば通行 7:30石巻→8:56あおば通

無事に自動放送、ならびに休日版発車メロディ「Sea Green」も収録できたため仙台駅に移動したいのですが、このメロディを録ったということは同時に電車も発車してしまっているため次の電車を待ちます。2番線にやってきたのは2WAYシート仕様車の205系ロングシートクロスシートの双方に変換可能な座席を備えていましたが、仙石東北ラインの開通により仙石線そのものから快速がなくなったため、現在はロングシートに固定されています。

 

車体の視覚的な違いはラインカラーと装飾の違いにあります。通常の車両は4両とも青色で装飾はありませんが、4号車は石巻市の花であるツツジをイメージした赤色。うしろに背もたれが特徴的な2WAYシートも見えています。

 

3号車は松島の朝日と夕日、扇谷の紅葉をイメージしたオレンジ色。車両の向きと地理が対応しています。

 

2号車は塩釜港に水揚げされるマグロなどの魚をイメージした紫色。マグロなどの魚に紫色のイメージってあんまりないんですが……

 

ちなみに、塩釜の「釜」の字は先ほどから表記している「釜」の字が一般的ですが、市の名前は「塩市」と、かまどの漢字として使われることがある「」の字を用いています。とはいえ市にあるほとんどの施設は「釜」の字で補われており、市としても「釜」でも別にいいよ、ということにしているようです。とはいえプライドは捨てていないようで、市の公式サイトには「竃」の書き順をご丁寧にGIF画像で紹介しています。

 

1号車は仙台市の木であるケヤキと、仙台の通称である杜の都をイメージした緑色。このように車体の細かい所まで拾っていかないとネタがありません。ああどうしよう。

 

仙石線の未乗区間を殲滅するため、仙台へ先着の仙石東北ラインを先行させ優先して仙石線を選択。この一文で何度センと言ったでしょうか。以前観光で仙台~松島海岸駅間を、5年前の仙台旅行の際に暇つぶしであおば通~仙台駅間を、前日に高城町石巻駅間を乗車しており、たった1区間、松島海岸~高城町駅間だけは乗ったことがなかったのです。なお、東北本線も昨日に仙石東北ラインで仙台~塩釜駅間、上り最終で小牛田~松島駅間を乗車したため、利府支線を除くとこちらも塩釜~松島駅間のたった1区間を残しています。なんだこいつ。いつか乗りたいなあ。と思ってたらこの前乗りました。いつか書きます。

 

2016年に開業した石巻あゆみ野駅仙石線内で快速運転を行う仙石東北ラインは停車駅・通過駅がはっきりしていますが、この駅のみ一部が停車するという形を採っています。建植式でも吊り下げ式でもない駅名標が印象的です。

「震災から前を向く」という意味で名づけられた「あゆみ野」という駅名は、のちの区画整理で地名にも採用されました。復興のシンボルとしては素晴らしいですが、いっぽうで「前沼」「沼田」といった地盤のゆるさを表す「沼」という字の入った地名は"あゆみ野"一帯から姿を消しており、我々よりも先の未来を見据えたときには、必ずしも良い取り組みといえるのか難しいところです。

 

仙石線 普通 多賀城行 9:42あおば通→9:43仙台

列車は朝ラッシュの仙台圏に突入し混雑を見せましたが、立ち客のほとんどは仙台駅で下車し、仙石線は残ったごく一部の客を乗せあおば通駅に到着。仙台~苦竹駅間を地下化する際に仙台駅として開業する予定でしたが変更され、延伸先の新駅という立ち位置となったのがあおば通駅です。

現在では文字通り仙台駅を東西に貫く仙台市地下鉄東西線との直通運転も構想していたという話ですが、当駅と東西線青葉通一番町駅は微妙に離れています。とはいえ利用客がいないわけではなく、改札付近に誰もいない写真を撮るのに数分は待ちました*4

 

あおば通駅の発車メロディを記録し、仙台駅にとんぼ返り。行きは東北本線で仙台まで来ましたが、帰りは海沿いを走って東京を目指す常磐線で帰ろうと思います。

 

向かい側に停車していたのは常磐線特急ひたち。青春18きっぷでの旅行ですから、特急列車に乗るにはお財布の紐がなかなか開きません。大人しくこの後の普通列車を待ちます。いつか乗りたいなあ。と思ってたらこの前乗りました。いつか書きます。

常磐線 普通 原ノ町行 10:36仙台→11:56原ノ町

特急ひたちが発車したのも束の間、間髪を入れずに乗車する常磐線が入線。利府始発の原ノ町行、701系6両フル編成です。一瞬隣のE721系1000番台に浮気しかけましたが我慢。仙台で客が入れ替わり、意外にも立ち客のいない701系に乗り込みます。なぜ、私の意思はここまで固いのか。

 

意思をTwitterに投げたからです。

 

しばらくは東北本線を走り、名取から真の常磐線が始まります。が、同時に仙台の都市圏を外れるため、山下駅までうたた寝をしていると車内と車窓はこの有様。途中の駅で賑わいが戻ることもなく、原ノ町駅まで上っていきます。

 

常磐線 普通 いわき行 11:59原ノ町→13:16いわき

原ノ町駅に到着。短い乗り換え時間にもかかわらず階段を使わされてしまい、駅舎などを撮影する時間は皆無。降りた先で出迎えるは常磐線の顔・E531系。これから先、上野までの289kmにもわたって活躍する働きすぎ車両です。1日目には東北本線へ出稼ぎしている子にも乗車しましたね。休んでくれ。

 

3年前に上野から富岡まで乗り通した際には震災の影響で不通だった浪江~富岡駅間にも初めて乗車。これで山下から富岡までの常磐線未乗区間も乗り通し、常磐線完乗を達成しました*5

 

いわき駅に到着。"いわき"の名の通りここは磐城国福島県なのですが、このあたりまでは一体どうしてか茨城県な気がしてしまいます。自分の中に根付いている「常磐線といえば茨城県」という固定観念のせいだと思います。いつ種を植えられたかは分かりませんが、おそらくこのイメージが枯れることはないでしょう。

ここからは10両編成が走っており、東京までの特急列車も毎時1本確保されている区間。中でもE531系にはグリーン車が連結されており、ここから優雅にグリーン車で帰宅することも考えましたが、グリーン車の連結されていないE501系がやって来る可能性もあります。E501系はE501系で好きな車両なので、どちらに転んでも水戸まではワクワクです。

 

常磐線 普通 水戸行 13:48いわき→15:10勝田

E531グリーン車なし5両編成

あまりのショックに写真を撮っていなかったようなので公式サイトからパクってきました。ああ、そういえばグリーン車E531系10両は高萩までしか来ないんだった。私は落胆しつつもセミクロスシートに腰掛け、駅前のファミリーマートで購入した増量キャンペーン中の熱々チャーハンを自暴自棄になりながら口へと急がせたのでした。熱かった。

 

常磐線 普通 上野行 15:24勝田→17:34上野

なお、いわきから水戸までの区間E531系を引き当てるということは、取手などで乗り継がない限り上野までの289kmをE531系で走破することを確定させます。さすがに別の車両に乗らせてください。

水戸行は勝田で乗り捨て、始発列車の上野行に乗り換えます。10両編成でグリーン車つきですが、あの頃の情熱はチャーハンととともに飲み込んでしまったため普通車に乗りました。

 

高崎線 普通 高崎行 17:46上野→18:09さいたま新都心

英語を流暢にアナウンスする車掌さんが終点まで常務する行路だったため幸い車内では退屈せず、しかし写真を撮ることもなく上野駅に到着。圧倒的素材不足で、カメラは勝田駅の次に上野駅の低いホームを映しています。

 

そしてさいたま新都心へワープ。降りてから前の5両がE233系であることに気づき、ああ、疲れてるなあ、と自覚したため、寄り道することなく自宅に帰ったのでした。

 

 

今回重い腰を上げて筆を執ったのは、とある行先表示オタクの萩原雪歩さんに(ほぼ)名指しで煽られたためです。この方の東北遠征は3月で私は8月なのでブランクでは私のほうが勝っていると思うのですが、どうも先に書ききった方の勝ちらしいです。納得いかない。

hg894.hatenablog.com

 

こちらの記事は3月に走った臨時快速を表示を集めることを主目的とした遠征記です。私の旅行よりも軸がしっかりとしていると思いますのであわせてご覧ください。私への煽りは後編にあります。

 

かく言う私も、この記事を書いている間にふたたび東北本線へ、第三セクターを含め青森まで行ってまいりました。こちらもそのうち執筆予定ですのでよろしくお願いします。年内には完結させたいですね。

 

*1:もしかしたら深夜にもあるかもしれませんが調べてません。

*2:仙台方面の仙石東北ラインは、1本目のみ石巻線女川始発となるため石巻駅では3番線を使用。これは1・2番線が仙石線方面にしか線路が通じていない行き止まりであるため。

*3:なお、2本目とほぼ同時刻に4番線から発車する石巻線陸羽東線直通古川行(1本のみ)を録り逃したりしています。

*4:数分待てば撮れる……?

*5:5年前に仙台から山下までは乗車済み。本来は原ノ町まで向かう予定が、同行者の体調不良で山下で断念したという経緯があります。