志摩関西回遊②──疾きこと、しまかぜの如し

2022年9月5日(月)、昨日京都駅よりダイナミック経路で到着しました山科駅からおはようございます、八川です。

現在このブログではこの「志摩関西回遊」シリーズのほか「四国地方旅行」「東北地方倹約旅」を自己満足で連載しており、プロットはあるのにどれがどこまで進んだか把握しきれていない売れっ子漫画家状態にセルフで陥っています。さっきまで徳島にいたはずが山科にいる。

そんなわけで旅程を思い出しながらになりますが、志摩関西回遊も進めていこうと思います。前回は中央本線経由で京都府に進入しただけですので、実質的には今回からが本番です。いざ、伊勢志摩へ。

 

そのために、まずは山科を脱出しなければなりません。山科にはJR、京阪、地下鉄の3つがありますが、京都駅に向かうのはJRのみ。18きっぷは昨日で使い果たしたため、普通運賃を支払って移動します。

車両は湖西線からの113系です。てっきりJR西日本は主要路線から国鉄型車両を追い出し、この塗装の113系草津線だけだと思い込んでいたのですが、湖西線普通列車としてはまだまだ主力で活躍しているそうです。ちょっと意外でした。

 

京都駅に到着し東海道新幹線ホームへ。何も新幹線で伊勢志摩に向かうわけではなく、京都まで新幹線で向かってきている同行者を出迎えに入場しただけです。昨日山科~京都をあんなにケチっていた人間が?

さて、ここから伊勢志摩の巡回に同行してくれる人物をご紹介します。Rです。以前このブログにも登場したことがあるのですが、そんな彼を記憶している冗談だけ本当ですマニアはいらっしゃるのでしょうか。いないと思うので振り返ります。

 

今年5月執筆「岬めぐりのバスは走る」にて登場した京急おでかけのうちの1人です。私が万札借りたほうです。要するに非鉄。今回はMがいないので*1私がおおよその旅程を計画し、こちらはついでに帰省もぶち込んだためRには後から新幹線で合流する、という形をとってもらいました。申し訳ない。

 

降車したRを出迎え新幹線改札を出ます。京都駅から伊勢志摩へ向かうのにJRを利用する、という行為は言葉をオブラートに包んで言うとバカなので*2近鉄線ホームへと移動します。

 

我々を伊勢志摩へと誘ってくれるのは、風に高級感を漂わせて颯爽とホームに入線してきた特急「しまかぜ」です。しまかぜは2013年にデビュー。名古屋・京都・難波の3駅から賢島を結ぶ観光特化型特急で、50000系3編成には50億円近い投資がなされたトンデモ高級車両です。サービスにとことんこだわった結果従来特急より座席数が半数近くに減少し、そのぶんチケットを取るのがたいへん難しい車両です。

 

ちなみに、今回使用するきっぷは「まわりゃんせ」。有効期間は4日間で、発駅からフリー区間(松阪~賢島駅間)までの往復乗車券・往復特急券、フリー区間乗り放題、フリー区間有効の特急券4枚、伊勢志摩各レジャー施設へのパスポート代わり、現地バス・船乗り放題とさまざまな特典がついて9,900円という破格のきっぷを使用してまいります。ただし、今回乗るしまかぜは別途しまかぜ特別車両料金の支払いが必要で、京都から賢島までだと1,160円かかります。まわりゃんせに比べるとちょっとお高いですが、そもそも比較対象がバグっているのでそれ相応の価値があると言っていいでしょう。

 

チケットを取るのが困難な今回の旅に向けて、実は1ヶ月前から用意をしていました。

まわりゃんせで予約した特急券は、予約日を含む8日以内に引換券と交換で受け取る必要があります。1ヶ月前にあたる8月5日(金)はちょうどサンライズで四国に旅立つ前日で、この旅の最終日に経由する難波・京都・名古屋のいずれかでまわりゃんせを購入し、その場で予約する手もアリでした。しかし相手は人気のしまかぜ、乗車日が平日とはいえ最悪の事態も考慮し、引き換えもできる近畿日本ツーリストでまわりゃんせを購入したのと同時に引き換えを行っていました。大宮は混んでいる可能性を考慮し浦和で買いました。なお、購入・引き換えは近ツーだけでなくJTBなどの旅行代理店でも行えます*3

そんなこんなで1ヶ月前に10時半打ち(近鉄特急は10時半から)を行い、見事先頭車の展望席を獲得することができました。

 

前から2番目の

10時半打ちをしましたが最前列は間に合いませんでした。2+1という特殊な仕様ゆえ、空いている1人席を2列分取るのも間違いなく最前列の奪い合いになるため避け、やむなく前から2番目の席を取ることにしました。下手に諦めて後ろとか取るよりかはマシだったかなと思います。

 

名古屋からではなく京都にした理由は至極単純で、乗車時間が長いから近鉄の駅番号は路線と路線がぶつかると数の大きいほうに合わせられるのですが、路線図を京都から賢島までたどると毎回数の大きいほうを担当するのがこの経路。賢島駅の駅番号はM93、字面そのまま93駅を経由して賢島までたどり着いたわけです。

乗車時間は3時間弱、Rは途中若干寝ていましたが、フカフカでリラクゼーション機能もついているプレミアムシート座席で寝るなというほうがおかしいわけで。寝るのも楽しみ方のひとつなのではと思います*4

 

というわけで賢島駅に到着。明らかに"じゃない方出口"なのですが、海に近いのはこちら。駅名の通りここはもう本州ではなく、本州に程近い島です。歩けばものの数分で海にたどり着きます。

 

少し歩くと「賢島エスパーニャクルーズ」の遊覧船・エスペランサが。遊覧船を運営する会社は近鉄の子会社の子会社。たった今京都からのきっぷとして使った「まわりゃんせ」が、この遊覧船の乗車券としても使用できるのです。通常運賃1,700円のところが0円です。本当にいいのか?

 

英虞湾(あごわん)を1時間弱かけてぐるっと周遊するエスパーニャクルーズ。海なし県民ホイホイの景色に私もRも大興奮。よくよく考えたら下田然り三浦然り、Rとは海ばっか行ってる気がするな。

 

このあたりは真珠の養殖でも有名で、遊覧船からは養殖の現場も見えました。めがみめぐりに黒い球の集合体みたいな敵キャラがいました(全員知っている前提)が、それを思い出します。

 

しかし楽しむにはあまりに風が強すぎます。Rの髪の毛もこの通り。私は早々に退散し、エアコンの効いた船室から外を眺めていました。これもまた一興。

 

途中立ち寄った施設では真珠を作る工程をうかがうことができました。この真珠づくりの過程で生み出した真珠のもととなる貝、工程が終わるとネコちゃんの元へ。ヒョイっと食べるネコちゃん。かわいい。

 

賢島で時間を潰すのもいいのですが、せっかくのまわりゃんせなので早々に退却し本州に戻ります。1枚目の特急引換券を使用し伊勢市駅へ。

 

伊勢市駅に到着。この駅はJRと近鉄の乗換駅で、北口が近鉄、南口がJRの管轄になっていますが、南口の改札でもまわりゃんせにしっかり対応しています。弾かれるならいいのですが、されたら怖いので一応駅員さんに聞きました。ビビりめ*5

 

伊勢市駅から歩いてすぐの伊勢神宮 外宮(げくう)を参拝。江戸時代より親しまれてきたお蔭参り、日本に住む者として一度はやっておきたかったので、はじめての三重訪問で達成することができ万感の思いです。

 

外宮から内宮(ないくう)までは距離があるため、内宮前行きのバスに乗車して移動。三重交通バスも一部路線ではまわりゃんせが有効で、伊勢志摩観光としてはメジャーであろうこの系統もしっかり乗車できます。最強か?

 

ちなみにこの三重交通、使えるスペースにはすべて広告を掲出する金の亡者でした。どれから見ればいいんだ。

 

内宮前バス停から少し行ったところで国道は終点。内宮は川の対岸、これ以上先に延ばすのは無粋といったところでしょうか。近鉄も当初宇治山田駅から内宮付近まで延伸する予定だったようですが、「あまりに恐れ多い」という理由で断念し、鳥羽・賢島方面へ線路を延ばすことになったという逸話があります。Wikipedia情報です。

 

ということで内宮も訪問。散策に夢中であまり写真は撮りませんでした。

 

こちらは内宮に向かう道に架かる宇治橋から、五十鈴川(いすずがわ)を臨んだ写真。偶然にも霧が出ており、伊勢神宮が持つ荘厳さをより醸成しているようでした。

 

お参りを終えた頃にはすっかり日暮れ。内宮始発の五十鈴川駅神宮徴古館宇治山田駅経由伊勢市駅行、しか通らないバスで伊勢市駅まで戻ります。

伊勢市駅からは別のバスに乗り換え、高崎線付近を経由して青森県に至る超長距離バスに乗車します。距離がありすぎるためかこちらはまわりゃんせの範囲外です。

 

ララパーク停留所で下車。ララパークというのは写真後方にあるイオンタウンの名称らしいです。このあたりは夜間に鳥のたまり場になっているようで、周囲の電線に無数の鳥が止まって鳴いていました。さえずりというよりも叫びです。写真も撮りましたが、見返すと鳥肌が立つほどのグロ画像だったので割愛。鳥だけに。

 

よさそう「羽」文字にウキウキしつつこの日は終了。近くにある快活CLUB(2日連続)に駆け込み一晩を明かします。三重の店舗も県の条例により鍵付完全個室内でソフトクリームを食べることができませんでした。悲しい。

 

次回 みなさま~(聖地巡礼

オタク2人による悲しいテーマパーク編。

*1:Mがいたら丸投げしていた気がする。

*2:というか2人とも昨日・今日で名古屋を経由してきている。

*3:JTBとかは手数料がかかる、とネットに書いてあったので近ツーを選びましたが、ここも同額の手数料とられました。浦和が業務委託の店だったからなんかなあ。

*4:でも1時間は寝すぎじゃない?

*5:てか聞くくらいなら「まわりゃんせで~す」で通ればいいのに、なんで聞いたうえで自動改札通したんですかね。