ATOSファンから見た2023ダイヤ改正。

ダイヤ改正、盛り上がってますね。少なくともこの文章を書いている時にはまだ盛り上がっています。ほとぼりの冷めないうちに書き上げたいなあ。八川です。

さて、2023年3月のダイヤ改正内容が本日(12月16日)各社から発表されました。私のメインは音鉄、その中でもATOS放送ばかり録っている謎の人種なので、JR東日本の改正内容に釘付け。14時ちょうどにはひたすらJR東日本の公式ホームページをリロードしていた私が、ATOS的観点から見たダイヤ改正の見どころをまとめていこうと画策しているのが本記事です。殴り書きなのであとから修正する箇所がいくつかあると思いますが、よろしくお願いいたします。

 

高崎線特急「スワローあかぎ」「草津」消滅、「草津・四万」新設

音鉄でなくとも目を惹かれる話題だと思います。高崎線特急にリニューアル車両として5両編成のE257系5500番台を投入。「草津」は「草津・四万」に名称を変え、「スワローあかぎ」は「あかぎ」に統合され、それぞれ全車指定席の列車として運転されることになります。

これによって「スワローあかぎ」「草津」のATOSパーツは消滅し、新たに「草津・四万」の列車名が聞けるようになります。なお「スワローあかぎ」は自由席をなくしたスワローサービスを実施している列車だったので、あかぎが全車指定席になれば差別化する意味がなくなるため統合されて当然といっていいでしょう。

 

運用もちょっとだけ変わります。え、この表見づらくない?

平日朝の「あかぎ」8号は高崎~本庄駅間で運転取りやめ。休日の「あかぎ」は6号が平日の「スワローあかぎ」8号の時間で走っていたため、列車名統一に伴い繰り下げられます*1

平日夜の「あかぎ」1号は鴻巣本庄駅間の運転を取りやめ、「ホームライナー鴻巣」が消えた2014年以来9年ぶりに「鴻巣」行の定期列車が復活。「鴻巣行です」「鴻巣行がまいります」パーツも9年ぶりの定期設定となります。そもそもスワローあかぎ自体がかつてのホームライナー鴻巣を延長するような形で新設されたものでしたので、再誕、と表現してもいいかもしれません。

休日運転の「草津」32号は時間が繰り下がって「34号」に変更。「草津」の名称変更については、先日引退した高崎支社のジョイフルトレインとして活躍した485系リゾートやまどり車両で不定期に運用されていた快速「四万温泉やまどり」なるものが存在し、大宮~中之条を結ぶ臨時列車として定着しつつありました。車両の引退に伴い「四万」の名を冠する列車がなくなることから、定期列車の「草津」にくっつけることでブランドを存続させようとしたのかなあ、なんて思っています。車両リニューアルに伴うただのイメージチェンジかもしれませんが。

 

東武直通特急の車両運用変更

新宿~東武日光鬼怒川温泉駅間を結ぶ東武線特急の輸送体系が見直され、車両運用が変わります。定期列車は減便され、4往復から2往復となります。

え、この表も見づらくない?

JR車の253系で運行される列車は「きぬがわ」「日光」で、改正後は「日光」が臨時列車となります。

東武車の100系スペーシアで運行される列車は「スペーシアきぬがわ」「スペーシア日光」で、改正でスペーシアきぬがわ」が消滅し、「スペーシア日光」が定期列車となります。なんで日光詣塗装が消えてからスペーシア日光を定期化するんですかね……。

スペーシア日光」のパーツ自体は臨時のスペーシアきぬがわ11号に何故か新宿の次発予告放送で付帯していた乗車口案内で聞くことができましたが、それも日本語の女声のみ。日本語男声は確証がありませんが、英語男女については流れた実績がないはず。今から流れるのが楽しみですね。

いっぽうで「スペーシアきぬがわ」のパーツは聞き納めになりそうです。2往復から一気にゼロとなるのはなかなか衝撃的ではありますが、運用持ち替えと減便が重なってしまっては致し方ない感もあります。プレスリリースで示された臨時列車以外で年末年始などに走るものがあるかもしれませんが、臨時きぬがわが2本控えているため可能性は限りなく低いと思います。録るなら今のうちです。

 

高崎線前橋発着列車の大幅削減

写真傾いてませんか?

高崎線の運転区間が見直され、前橋発着列車が大幅に削減されます。快速アーバンも含めた多くの列車が籠原・高崎発着となり、上野14・15・16番線発の普通列車、15・16番線発の快速アーバン前橋行が無くなります。熱海発の前橋行は土休日に辛うじて1本だけ残るため、「前橋行が聞けなくなる駅」はありません。これ消えてたら発狂モノでした。

特急「湘南」増発・快速アクティー消滅

東海道線の改正も興味深い内容です。

東京・新宿から東海道線の大船以西を結ぶ通勤特急「湘南」は、現在の18時00分発小田原行1号よりさらに前に17時30分発平塚行1号が新設されます。特急化で客離れが心配されていた湘南ですが、サンライズの時間をズラしてでも湘南の時間を調整するなど利用率は好調のようです。しかし深夜の利用は芳しくなく、臨時化された23時00分発の17号(改正後は19号)は平塚止まりになります。

2021年改正で上りが全滅し、下りも東京始発だけとなった快速アクティーはとうとう消滅します。19時台の1本は上野発の普通列車として、20時台の1本は運転を取りやめます。平日は2本とも平塚で普通列車を追い越すため、東京場面でまだ先発に普通がいると快速アクティーが先着する駅は国府津と小田原だけという状態が続いていたので、廃止は妥当と言えます。

東京の着席需要もないわけではありませんが、数本設定されている上野始発、増便される湘南号で賄えるという算段でしょう。さすがに消えるとは思いませんでしたが……。

なお、この改正により列車名の「アクティー」はもちろん、女声の「辻堂、大磯、二宮、鴨宮、には停車致しません」という決まり文句のような通過駅案内が聞けなくなります。→通過駅案内は戸塚4番線で聞けます、ご指摘くださった方ありがとうございます!

 

青梅線青梅で系統分離・ホリデー快速あきがわ消滅

かねてから車両の対応工事が進められていた、青梅線の青梅~奥多摩駅ワンマン運転がついにスタート。これに伴いすべての電車が青梅で折り返し運転を行うようになり、土休日朝の立川発御嶽行、毎朝1本設定されている奥多摩発東京行の快速が消滅します。ATOS区間は青梅までであるため、「御嶽行がまいります」のパーツも聞くことができなくなると思われます。

衝撃的なのはホリデー快速おくたまも系統分離の例外ではなく、定期での運行区間は青梅までに短縮。利用状況に合わせ青梅~奥多摩駅間は臨時のホリデー快速おくたまを別で走らせるという、奥多摩に行かないおくたま列車が誕生することになりました。「おうめ」はすでに特急が使っているので難しいところではあるのですが。

なお、青梅までの定期運行となれば10両編成がそのまま入線できます。その煽りを受けてか、これまで拝島で分割・併合し五日市線に直通していた4両側の「ホリデー快速あきがわ」はまさかの廃止決定。中央線の分割・併合運用は河口湖乗り入れの2往復のみとなります。今のところ分割・併合対応編成は16本おり、10両固定編成と合わせれば計60本。対してグリーン車の製造は58本分と発表されているので、このあたりにテコ入れがなされる可能性もありそうですね。

なお、ATOS的観点からは外れますが、従来の青梅線内完結運用が中央線に直通し、青梅~東京駅間で運転する電車がかなり増えるようです。現行の時刻表とにらめっこするとうまい具合に中央線の立川始発と結合しているのが分かります。豊田行などを青梅線直通に持ってくるとなると今度は中央線の減便となり、そのような記述は見られないため立川行が青梅行になると考えて良いと思います。

 

京葉線「幕張豊砂」駅開業

京葉線では新習志野海浜幕張駅間に「幕張豊砂(まくはりとよすな)」駅が開業。ATOS管内では高輪ゲートウェイ駅以来3年ぶりの新駅ということで、ATOSクラスタだけでなく「発車メロディに何が採用されるか」で音鉄全体が盛り上がっています。そんな気がする。

通勤快速・快速が走っている京葉線ですが、同駅は各駅停車のみの停車。ここまでは予想の範疇で、個人的には日中に南船橋止まりとなっている武蔵野線直通海浜幕張まで延長運転することで新駅効果を高めるのかな?とも思っていたのですが、ひとまずは様子見といったところでしょうか。

駅の誕生により、停車駅案内がある駅には変化がみられると思われます。最新版のATOSを使用し、日英ともに連動タイプ*2の停車駅案内を設定している船橋法典駅では、そのまま幕張豊砂駅に対応した案内が鳴動すると思われます。これは順当な流れです。

問題は非連動タイプの停車駅案内を流している駅です。現状、幕張豊砂駅に被る範囲で該当する駅はありませんが、稲毛海岸で、かつての検見川浜駅同様に各駅停車において8駅先までの停車駅を案内しています。稲毛海岸は検見川浜の、検見川浜は海浜幕張の隣なので、幕張豊砂は当然ながら案内の範囲に含まれるわけで、この案内を設定した駅員さんがまだ稲毛海岸・検見川浜に勤務していれば復活・対応してくれるのでは……と、淡い期待を抱いております。このブログ見てませんか?お願いできませんか?見てるわけないだろ。

なお、設定されれば同時に男声の「新習志野停車駅パーツも復活します。停車駅パーツ、です。稲毛海岸ですでに流れとるやろがい!「こんな長々と書いてるけど、幕張豊砂に到着放送が入れば一発では……?」とお思いになられた方もいらっしゃるかもしれませんが、ATOS日本語の駅名パーツは3種類*3あるため、到着放送だけではコンプリートすることができないのです*4。そのコンプリート条件が駅側の設定による気まぐれとか、終わってますよこの趣味。やめられねえぜ。

 

上野発特急「ひたち」消滅

平日は上野始発だった「ひたち5号」が品川始発となり、上野始発のひたち号が完全に消滅します。従来は尾久出庫運用ですので、上野から品川まで回送できる線路容量の空きができたか、品川に到着後尾久に入庫する「ときわ56号」をそのまま折り返させるかのどちらかに変更するものと思います。

かつて栄華を見せた16・17番線発車の常磐線特急も、とうとう平日の「ときわ53号」を残すのみとなりました。こちらは「ときわ52号」の折り返しで上野に1時間近く停車するため、今後の改正でも弄るには大胆な運用変更がかかりそうです。

なお散々騒がれた常磐線特別快速」の消滅は今回は見送られました。むしろ日中の10両普通列車が15両になるなど利用は好調です。しかし下りの特別快速については品川行の快速をそのまま折り返す(=日中パターン本数では特別快速の通過駅の本数が減る)ため、この特別快速の1本前に田町センターから回送列車を走らせ上野始発とし、通過駅の利便性を確保するというなかなかアホな運用を組んでおり、コスト面から見てなぜ消されなかったのか不思議ではあります。乗車率が良いのであれば、回送を品川始発にするか、特別快速を快速にするかくらいはしていいと思うのですが。

 

房総地区運用変更

千葉駅を中心とする房総各線にもちょくちょく変更が入ります。

成田線は横須賀・総武線(快速)からの成田空港発着電車が減り、数本のみの設定だった209系車両による千葉〜成田空港区間列車が3往復増えます。すべて8両編成で、これは6両編成が成田空港・空港第2ビルのホームドアへの対応工事を受けていないためです。日中時間帯に1運用増えるだけなので、また6両編成が4両編成に短縮されることはないと思います。たぶん。

総武本線は深夜時間帯の下り列車に運用変更が生じます。従来の下り最終は横芝行、その1本前が横芝より手前の成東行でしたが、最終は成東行に、1本前はさらに手前の八街行に、それぞれ区間が短縮されます。八街行はATOS区間では初設定と思われます。→現在の快速成東行がかつて八街行として走っておりました、こちらもご指摘ありがとうございます!ブログとして0点

松尾・横芝は終電が1時間も早くなりますが、かなり踏み込んだ改正なのでおそらく誰も乗ってなかったんだと思います。横芝行自体は21時台の成東行が延伸される形で新たに生えており残存していますが、発着番線が変更されると男声で聞くことができなくなります(裏返すと女声で聞けるようになるかもしれません)。

内房線は、夜に運転される2本の千葉発千倉行が館山行に変更され、その間を走る木更津始発の館山行が千倉行に延長されます。これが館山より先、九重・千倉への最終となり、こちらも1時間早くなりますが、やはり利用客がいなかったのではないのでしょうか。

現状、木更津発館山行は209系による2番線発の出庫運用です。2番線は女声ですので、蘇我6番線・木更津3番線で聞ける声の「千倉行がまいります」パーツが消滅するものと思われます。

久留里線はラッシュ時間帯の4両編成が消滅し、3両以下での運転となります。久留里線関連のATOS放送で4両が聞けなくなりますが、かなりマニアックな案件です。

外房線および東金線は特に変更ありません。ここまで他線区で運用変更が相次いでいる中で何もないとかえって変な感じですね。

 

いかがでしたか?(ダメなブログの締め方)

プレスリリースから読み取れる範囲ではこのくらいのことしか見当たりませんでした。個人的には高崎線特急の苦しすぎる車両運用が近年稀に見る息苦しさで大変好みです。妄想のしがいがあっていいですね。デュフフ。

かなり殴り書きになってしまい、読める文章になっているかは怪しいですが、改正まで休日も少ないことですからとりあえずこのまま投稿しようと思います。誤っている箇所、ご意見などございましたらお気軽にどうぞ。

 

ここからは余談なので興味のない方は飛ばしてください。

 

651系の存廃問題も議論に上がっています。E257系5500番台が5本であるのに対し、現状高崎線特急が平日5運用でギリギリ(アウト)なうえ、臨時列車としての運用もこなす同車にとっては無謀であること*5が指摘されています。現状スワローあかぎは朝の4本・夜の5本ともに全て別の列車で運転されていますが、朝の8号・夜の1号区間短縮を見るに、2号を本庄に回送して8号に、1号を上野に回送して9号、といった車両運用が想像できます。これで朝を4→3運用、夜を5→4運用にできますが、E257系5500番台は5本中2本がコンセントを装備していないため、このままだと「コンセントのない車両で運転されることがあります」というプレスリリース表記に反し、夜に1本が日常的に運転されてしまいます。しかしこの問題は、「大宮所属の特急」かつ「E257系リニューアル車両」である、踊り子・湘南号のE257系2500番台を使用することで解決できます。スワローあかぎ7号は東大宮出庫・上野→本庄・東大宮入庫と当日中に東大宮へ戻る運用である*6ため、4本体制に対し夜は2本で回している2500番台であれば白羽の矢が立つ可能性が高いです。というかそうするしか術がないと思います。「コンセントつきの3本が平日フル稼働」という狂った仮定に見える現実があるので、そのあたりの詰めの甘さはお許しを*7

また、そもそも「全車指定席のグリーン車なし」という表記があるため、グリーン車を連結している651系に入る余地がありません。短編成化して残るかもしれませんが、そもそも651系にコンセントなどあるはずもないので、日常的に運用入りする可能性はかなり低いです。どう転んでも「波動用をつぎ込んで無理くり置き換えている」感が否めないので、その対象となっている車両が残るとも思えないのですが。

なお、金曜日を中心に設定されていた臨時特急「スワローあかぎ91号」は1号の折り返し回送運用で賄っていたため、上記の仮定が合っていれば時刻を動かさない限り運転不能になります。ATOS英語の"91"パーツは録っておいて損はないでしょう。93号なんてものはなかった。

 

*1:休日の上り「あかぎ」は6・8号の2本しかありません。

*2:列車情報から停車駅情報を吸い上げ、勝手に読み上げてくれるタイプ。

*3:「折り返し、〇〇、行と~」などで使われる"単体"、停車駅の羅列に用いられる"停車駅"、到着放送に使用される"連呼"。呼称は独自。

*4:一部駅名は"停車駅"と"連呼"が同一であるという説もありますが、個人的には男声の田中さんがアクセント全然変えてないだけで別個だと思ってるのでこの程度の記述にしておきます。波形ちゃんと解析してないけど。

*5:臨時列車はほとんどが休日運転ではあるものの、埼玉県民の日に合わせて運転される「GOGO舞浜」もE257系5500番台充当。11月14日が平日の場合6運用に。

*6:厳密にはスワローあかぎ2号が朝に入庫した後に夜に出庫してくる運用ですが、前述の通り本庄へ回送して現状新前橋出庫の8号に結びつければ解消されます。

*7:余談でサムネイルの伏線を回収する謎ブログ。