バカなので始発起きなのに2時間くらいしか眠れませんでした、八川です。
日付は2022年8月9日。さて、前日のヤカワさんは、香川の水族館を訪れ、愛媛県は松山に来ては道後温泉もどきで満足し、終電の発車標を撮影して就寝するというゆる~い1日を、ゆるキャン△*1のような日を過ごしたわけですが、本日はわりとしんどく、ヒロシのぼっちキャンプ*2くらいしんどい旅程(一般人比)を組んでいます。
始発列車……と先ほど書きましたが、向かう宇和島方面の列車はすでに1本出ており、さらに特急宇和海も先行します。つまりこれから乗車する各駅停車は数えて3本目なわけですが、注目していただきたいのは(伊予長浜経由)の文字。予讃線は松山よりさらに先、向井原駅で「愛ある伊予灘線」の愛称がある遠回りの旧線と、内子線を活用した新線に分かれます。1本目の宇和島行と特急宇和海はともに内子線を経由する新線ルートを通るため、愛ある伊予灘線に向かう5:51発も一応始発扱いになるわけです。松山駅からの始発と言われればそうではないですが。
と、いうわけで2番のりばに停車中の普通列車に乗車しようと思いますが、こいつ、どこかで見たような……?
昨日、高松から屋島の短時間だけ乗車した特急と同じキハ185系です。
正確には、特急用だった車両を普通列車に改造したバージョンです。元々四国特急向けに導入されたキハ185系でしたが2000系の導入により一部はその役目を追われ、JR九州に譲渡される者も出ました*3。
目的地まで乗車する3100番台は、うずしおへのN2000系投入に伴い2000年に普通列車向けとしてダウングレードされた車両。改造を受けたとはいえ、車内はさながら特急のまま。朝から良い列車におトクに乗れた気分で、出だしは上々。
愛ある伊予灘線に入って数駅、伊予上灘(いよかみなだ)駅に到着しました。当駅にて行き違いのため16分停車するとのことなので、お手洗いも兼ねて途中下車。ここが存外素敵な駅でした。まず、①開業時からの駅舎を改装しつつ使用。
②ホーローがある。
③やたら愛されている。
④構内踏切がある。
と、個人的な嗜好をことごとくくすぐられるラインナップ。このように思いがけない出会いがあるとウキウキしますね。「ずっと乗っていても飽きないのは、同じ駅がひとつもないから」。ここに来て、今年の18きっぷポスターに書かれていたキャッチコピーが思い出されます。時間に余裕ができたら駅巡りを本格的にやってたいですね。視野は広く持って、全国の駅を訪れてみたいです。
予讃線 普通 宇和島行 5:51松山→6:58下灘
始発列車は本日最初の目的地である下灘駅に到着。私自身、いつかは行ってみたいと思っていた駅でしたが、一般人にもそこそこ有名なようで、下灘駅に行こうという提案はBさんからのものです。Part1で書いたつもりが書いていないようなので記しておきますと、これまで観光をしてきたスポットはほとんどがBさん提案のもの*4で、私は見慣れない四国の路線図と睨めっこしつつ旅程を組んだだけになっています。
下灘駅が有名である理由は、ホームからありのままの伊予灘が眺望できるこの絶景にあります。正確にはこの間に国道が通っており、線路のすぐ向こう側が海というわけではないのですが、青海川駅と違い柵のない開放的な空間は大きな魅力といえます。
こちらの駅にもホーローが……と言いたいところですが、こちらは有志の方々が雰囲気の醸成のために後から設置したものだということです。
ところでこの駅、ミリシタに登場する箱崎星梨花というアイドルのSSRカードに背景モデルとして登場しています。そんなわけでですね。
やりますよね。いや下灘まで来て何してんだ。しかし、1日目に琴平で痛い目を見たBさんのスーツケースをユニークな形で有効活用することができたためいいんじゃないでしょうか。改めて実際のイラストと見比べると、もうちょっとだけ左に立つべきだったなあと後悔しています。
写真としては載せませんが、プラットホーム上のベンチに座って海を眺めるショットとかも撮影していただきました。始発列車で降り立ったのは我々だけでしたが、それよりも前に車でやって来ている方々が複数人いらっしゃいました。お一人は岐阜から運転してきたとのこと。すごい*5。
予讃線 普通 伊予市行 7:35下灘→7:57伊予市
ここから先は宇和島に抜けますが、先に来る上り列車に乗車します。下り列車を待つよりも、分岐点付近の伊予市駅まで戻ったほうが早く到着するためです。ちょっとの時間でしたが、わざわざ始発で足を運んだ価値がありました。
下灘からほどなくして伊予市に到着。車内はオールロングシートでしたが、下灘・伊予上灘から乗車してきたお客さんで席がある程度は埋まる混雑でした。おそらくは接続の松山行に乗り換える方がほとんどなのでしょうが、記憶がありません。
駅前を通る道路の向かい側には伊予鉄道の郡中港駅が。伊予鉄道のいわゆる「郊外電車」で、JR松山駅よりも伊予鉄の松山市駅のほうが街としては栄えているらしいです。私は全く詳しくないので、伊予鉄については「JR高浜駅の懐かしスタンプ企画として設置してあったスタンプが実は伊予鉄高浜駅のものだったため撤去された」という話があり、それの間違えられたほうというイメージしかありません。
特急宇和海5号 宇和島行 8:19伊予市→9:30宇和島
伊予市からは特急宇和海に乗り換え、一気に宇和島を目指します。2000系が来ましたが、車体・車内ともアンパンマンにジャックされている車両が来たため特徴的な前面の色分けが喪失されており、本当に2000系なのか戸惑いつつも乗車。2両編成なので空いていると思いきや逆に混んでおり、途中駅で席が空くまでは並んで座ることができませんでした。
ところでこちらの2000系、振り子式特急*6ということでBさんがむちゃくちゃ乗り物酔いをしてしまいました。南風に乗車した際も若干酔っていたのですが、どうも2000系、宇和海はその比ではなかったらしいです。Bさんを労わりつつも、対面乗り換えではなかったため少々急ぎ足で乗り継ぎ列車へ。
予土線 普通しまんトロッコ2号 9:33宇和島→12:06窪川
宇和島からは、その名の通り愛媛と高知を結ぶ唯一の鉄道路線である予土線の観光列車、末期色しまんトロッコに乗車します。
列車は普通列車自由席のキハ54形と、指定席券を買えば江川崎~土佐大正駅間で乗車することのできるトロッコ車両の2両編成。乗車時間が限定されているのは、この区間が特に風光明媚だから……とかだと思います。
江川崎までキハ54形で揺られているうちにBさんの乗り物酔いも快復し、満を持してトロッコ車両へ移動。若干シートが掛かってもいますが、発車前から車内には風が吹き込み開放的な雰囲気。
むちゃくちゃ綺麗。
ほんとに綺麗。
まじに綺麗。
ハゲ。
十川。
トンネル。
最高でした。何度も四万十川と交差することから生まれる絶景もさることながら、窓がなく風がそのまま入ってくるトンネルも新鮮でした。実はこのトロッコ乗車、やりたいことがほぼ2日で収まったため前日になって突如決定*7したのですが、大満足です。Bさんも「下灘行ったのが昨日みたい」と、結構楽しんでくれてました。それは今日だよ。
次の列車まで時間があるため、窪川駅から徒歩圏内にあるうなぎ屋さんで昼食。お値段は張りますが、お値段以上。絶品の四万十うなぎでした。
特急あしずり10号 14:02窪川→15:04高知
窪川駅からは正しい姿の2000系が疾走する特急あしずりで北上します。あしずりは土佐くろしお鉄道から直通で高知駅を結ぶ特急です。今回のきっぷでは土佐くろしお鉄道は利用できない*8ですが、いつか宿毛まで乗り潰ししてみたいですね。
特急南風20号 15:13高知→16:43琴平
2日ぶりの高知駅に到着。高知駅にはそれほど滞在せず、向かい側の南風に乗り換えます。Bさんはこの区間では全く酔いませんでした。たぶん寝てたからです。
土讃線 普通 高松行 16:47琴平→17:52高松
2日ぶりの琴平駅に到着。宿泊先に到着するまではぶっちゃけやることがないため、意味もなく琴平始発の普通列車に乗り換えます。
よく考えると、ここから先高松までの予讃線の区間は旅行中3日連続で経由しています。四国初心者とはいえなかなか意味不明な旅程です。
3日連続で高松駅に到着。よくよく考えるとまともに駅名標を撮影していませんでした、危ない危ない。
特急うずしお25号 18:13高松→19:23徳島
2日連続で高徳線特急のうずしおに乗車。昨日とは違い、うずしおの8~9割を担う2700系がやって来ました。うずしおは気動車特急として最も多い運転本数を誇り、南風同様稼ぎ頭ということで新型車両が闊歩しております。今回は屋島ではなく終点の徳島まで乗車。
特急むろと1号 牟岐行 19:33徳島→19:35阿波富田
徳島に到着する頃にはすっかり日が暮れていました。徳島駅は高徳線のほか徳島線と牟岐線が乗り入れるターミナル駅ですが、これ以上下手に動くと終電を逃すため大胆な異動はこれにて終了。
しかし、牟岐線の次発列車は1日1往復のみの特急むろと。牟岐まで行くといよいよ徳島まで帰ってこれなくなりますが、どうも1区間であればすぐに帰ってこれるようなのでちょっとだけお邪魔します。車両は今朝乗車したキハ185系。Bさんは20時で閉まるお土産をじっくり見るとのこと*9で、一旦別行動です。
車内は今朝予讃線で乗った車両とほぼ同じ。こちらのグレードが……というよりも、あちらが普通列車として豪華すぎるのだと思います。普通列車への改造も必要最低限だったようです。
当時は全く意識していませんでしたが、振り返ってみると人生で特急列車の「1号」に乗車した経験はむろとが初めてかもしれません*10。どこで何を達成してるんですかね。
次の駅である阿波富田で下車。通過駅ゼロの真・次の駅であったため車掌さんも訝しげでしたがきっぷを見ておそらく意図を察してくださいました。周辺は暗いながらも住宅があることがなんとなく分かりましたが、駅は駅舎なしの1面1線です。
数分後に入れ替わりで普通列車が入線。キハ185系の特急に乗車したあと、普通列車の1500形がやってくる……デジャヴ。
徳島駅に戻ってきました。Bさんに合流してお土産も購入。この駅をもって四国フリーきっぷの使用は終了、JR四国による旅行もここまでです。3日間お世話になりました。夕食は昼食にお金をかけた代償として適当に済ませました(雑)
……さて、あと1日、帰りはどうするのでしょうか。
次回 ただいま、本州
前回からかなり日が空いてしまいました。次回までもかなり日が空きそうです(爆