\世界のももクロナンバーワン/

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表題は「あの空へ向かって」という曲の間奏でファンがライブでコールする掛け声であり、自作の怪文ではありません。八川です。

 

さて、2022年4月8日、富士見市の市政施行50周年を記念して、同市を走る東武東上線の「ふじみ野」「鶴瀬」「みずほ台」3駅が富士見市PR特別大使を務める「ももいろクローバーZ」の楽曲に変更されました。採用初日には多くの音鉄さんが集まり収録したそうです。私はこの日別の予定が入っており、その後深夜に恵比寿のATOS放送を録ろうとしたら現地でレコーダーの充電が切れたので無収穫で帰宅しました。何してんの?

今回、富士見市内で採用された楽曲は、メジャーデビュー最初のシングル「行くぜっ!怪盗少女」、そのB面である「走れ!」、桃黒亭一門という名義でリリースされニコニコで音MADが流行した「ニッポン笑顔百景」、2018年の映画クレヨンしんちゃんの主題歌である「笑一笑 〜シャオイーシャオ!〜」の4曲。ニッポン笑顔百景については近年TikTokで世界的な流行になっており、他3曲はメディアで披露する機会が多いので、4曲すべてももクロの中ではよく知られている曲だと思います。

しかし!かつてモノノフ*1だった私は、もっと隠れた名曲があることをFFの皆さまにお伝えしたい。そこで今回は、私がひたすらももクロについて布教する記事を書いてみます。ブログってそういうもんですよね。

 

最強パレパレード

とりあえずおすすめ曲?を羅列していこうかなと思います。

メジャーデビュー時のメンバーはえくぼが特徴的なリーダーの百田夏菜子、クールビューティーなサブリーダー・早見あかり、みんなの妹・玉井詩織、メンバー最年少のあーりんこと佐々木彩夏ももクロ小さな巨人有安杏果、初代リーダーの感電少女*2高城れにの6人。当時はZのない「ももいろクローバー」でした。

メジャーデビュー前のインディーズ時代には持ち歌が少なく、既存曲のカバーもいくつか行っていました。最強パレパレードもそのひとつで、原曲はあの「涼宮ハルヒの憂鬱」。ハレ晴レユカイやGod Knows…が有名ですが、この曲はアニメ第1期の頃に放送されていたラジオのオープニング曲というドマイナーな立ち位置のものです。とはいえ、この曲の振付を行った石川ゆみ先生がその能力を買われ、以降ももクロの全曲で振付師として活動しているため、モノノフにとっては重要な位置を占める曲でございます。

歌詞は「未来」「宇宙」「憂鬱」などハルヒを連想させるワードが散りばめられており、SOS団のことを歌っている曲なのですが、アイドルが歌うと希望に溢れた青春の曲とも取れる気がします。

カバー元。ちなみに私は鶴屋さん朝倉涼子さんが好きです*3

 

コノウタ

2012年のCDショップ大賞を受賞し、ももクロ人気爆発の一助となったアルバム「バトル アンド ロマンス」から1曲。発売前にサブリーダーだった早見あかりが卒業し、5人体制となり心機一転「ももいろクローバーZ」に改名。その直後、不安定な時期での発売となりましたが、その年に日本で出たすべてのCDからCDショップ店員がセレクトするCDショップ大賞にて音楽性を評価され、大賞を獲得するに至りました。

(ボーナストラックを除くと)アルバムのラストを飾るコノウタは、2012年2月に行われた「試練の七番勝負 episode2」にて最後に歌ったものが有名。渡部陽一さんが出演し終始和やかな雰囲気でイベントが催された中、終盤に戦場カメラマンである渡部氏が取り出したのは、武器をもつ子ども、危険を冒し恋人を訪ねる男性、戦地で歌うアイドル。「歌や踊り、笑顔は言葉にかかわらず伝わります」「世界はアイドルを、ももクロを求めています」と続ける渡部氏に、リーダーの夏菜子は号泣。他4人も声を震わせながら、最後に「コノウタ、君に届け!」と、会場全体をアイドルが持つ神妙な雰囲気で包んだのでした。感動的かつ心に残る場面ですが、DVDとしては問題ありと判断されたようでライブ音源が差し替えられ、当時めちゃめちゃ批判されてました

ジャケットはビートルズ「With the Beatles」のパロディだそうです。てっきりクイーンの「ボヘミアン・ラプソディ」かと。

 

ニッポン笑顔百景

冒頭でも出てきましたが、やはりこの曲は外せないなあと思い改めてセレクト。テレビアニメ「じょしらく」エンディングテーマとして起用され、落語ということで1番では洒落、2番では小噺が盛り込まれています。が当のじょしらく自体はほぼ落語をしないアニメ*4で、曲だけが頑張ってしまったパターンです。映像に八川アイコンキャラクターがいるのは気にしないでください。

作詞・作曲は前山田健一氏、通称ヒャダイン。先述の「行くぜっ!怪盗少女」や別のアニメであるモーレツ宇宙海賊のオープニングとしても起用された「猛烈宇宙交響曲・第七楽章『無限の愛』」など数多くのヒットナンバーを手掛けており、彼なしではももクロを語ることはできません。

ヒャダインと言えばテレビアニメ「日常」のオープニング曲で本人歌唱で作詞・作曲した2曲が有名かと思います。このPVでヒャダル子*5役として出演しているのは当時すでにももクロを卒業していた早見あかりで、ももクロとかなり関係が深いことが読み取れます*6

 

仮想ディストピア

セカンドアルバム「5TH DIMENSION」収録曲で、私がももクロの中で一番好きな曲です

この曲最大の特徴はサビで2パートに分かれる点。全員による歌唱ではなく、リーダーの百田夏菜子と他4人の1vs4に分かれて歌います。これがラスサビでパートが逆転するのも良。曲を通しての世界観も好きなのでとにかく聞いてください(強引)

 

Guns N' Diamond・バイバイでさようなら・HAPPY Re:BIRTHDAY

サードアルバム「AMARANTHUS(アマランサス)」からをまとめてセレクト。

本アルバムに収録される14曲は順番に人間の「生」から「死」を描く、という共有された世界観を持っており、終末を飾るこの3曲はそれぞれ「死の瞬間」「浄土への成仏」「死後と輪廻転生」をテーマにしています。テーマ名は勝手に名づけてますが概ね間違ってないはず。

「Guns N' Diamond」の疾走から転落するような落ちサビ、「バイバイでさようなら」の死を受け入れる過程で繰り返される暗いメロディと明るいメロディ。「HAPPY Re:BIRTHDAY」の、セリフパートで表現される走馬灯を抜け"次"に向かうようす。3曲にわたって紡ぎ出される独特の死生観が好きなのです。

と言いつつこの曲、それぞれで作詞・作曲者が異なります。「バイバイでさようなら」の作詞は只野菜摘さん。「Wake Up, Girls!」や「Vivy -Fluorite Eye's Song-」内の数多くの楽曲で作詞を担当されている方です。

「HAPPY Re:BIRTHDAY」の作詞・作曲はバンド「相対性理論」などで活動するやくしまるえつこ氏。その筋ではかなり有名な方で、バンドをやってる知り合いは「同じ時期に生きれていることが幸せ」とまで言ってました。「ハイスコアガール」や「輪るピングドラム」など、いくつかアニソンも歌っており、ニコニコだと「ミス・パラレルワールド」が時々使われてますね。

先述の通り「HAPPY Re:BIRTHDAY」は曲の終盤で転生が描かれており、百田夏菜子が「またね。」と呟くように歌い終了します。そのため「死」で片づくことなく、アルバム冒頭*7「WE ARE BORN」に再び帰ってきます。おぎゃー!*8

 

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2018年1月、メンバーの1人である有安杏果が突如として卒業を発表。休止期間を経て現在はソロ活動をしていますが、ももクロはその後4人となって活動を継続。その後初めて出したシングルが冒頭にもあった「笑一笑 ~シャオイーシャオ!~」です。卒業がきっかけというわけではありませんが、この頃からアイドルとしてかなり貫禄を感じる現在の路線になってきました。が、私はメンバーの中で有安が一番好きだったため、この卒業を機に追っかけるのを辞めてしまいました。今でも好きなんですけど、CDを買うほどではないというか。そんな感じです。

 

そんなももクロが“メンバーにとっての一大事”として2011年から2014年まで4年連続で開催された「春の一大事」。2011年は早見あかりラストライブ、2014年は女性グループとして初めて単独で国立競技場でライブ。文字通り、そしてももクロの隆盛を象徴するライブですが、2017年に復活し“町おこし”ライブにリニューアル。有安の出身地である富士見市が市政施行45周年ということで声を上げ、そこからももクロ富士見市の長く続く縁が始まるのでした*9

 

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ももクロの日本万歳!」「ニッポン笑顔百景」などに代表されるように、東日本大震災からの復興を応援する楽曲やライブを積極的に手掛けるももクロ。2019年にはメンバーの佐々木彩夏がメンバー兼総合プロデューサーを務めるアイドル「浪江女子発組合」を結成し、活動に尽力しています。

先述の「春の一大事」も浪江町楢葉町広野町が共同で誘致し2020年にJヴィレッジで開催予定でしたが延期。2年越しに実施できる見込みが立ち、この春に開催されます。一部で騒がれた「Jヴィレッジ」臨時列車の正体はこれです。

 

富士見市に続き、なぜか電車に関わる話題が続くももクロ。これを機会にと思い、5000文字にわたってももクロについて殴り書いてみました。ここまで読んでくださった方々が少しでも、"ももクロ"そのものに興味を持ってくださると嬉しいです。次はモーニング娘。についてでも書くか

 

 

おまけ

ももクロとは全然関係ないですが、せっかく音楽のことを書いたので紹介。「たま」というバンドの「あくびの途中で」という曲です。歌詞に「皆さん冗談だけ本当です」とブログ名がそのまま出てきます。これが由来ですよ、というしょうもないお話でした。曲のどこで歌われるか、ぜひ気にしながら聞いてみてください(?)

 

 

*1:ももクロファンの呼称。グループ名と「武士(もののふ)」を掛けている。

*2:のちに児童が河川で感電する事故が大きく取り上げられ、以降は「鋼少女」に。

*3:朝倉さんのキャラソンも貼りたいんですけど収拾つかなくなるのでやめます。

*4:とある回のあらすじは「犬派か猫派か、そんな何気ない質問から雑談を始める五人。でも気がつくと日本の北や西に向かって『返せー!』と叫んでいるのだった。」。

*5:曲中の女声のこと。ヒャダイン本人が歌った音声を加工して女性っぽくしている。

*6:またPVにはももクロマネージャーである川上アキラ氏や、私生活でヒャダインと親友であるという下野紘氏も友情出演。

*7:「WE ARE BORN」は2曲目。1曲目は「embryo -prologue-」という胎児を描いたプロローグ曲で、まだ生を受けていないためか歌詞がない。

*8:歌詞です。幼児退行してません。

*9:発車メロディ採用時にはふじみ野駅一日駅長として佐々木と高城が参加。佐々木の「今は埼玉出身のメンバーはいないんですけど、……」という思いやりのあるセリフに感動しました。